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利用者・家族等からのハラスメントに対するリスクマネジメント

第6回 地域との協働と2021年度の基準改定

<ポイント3>2021年度の基準改定で定められたことは?

公開日:2021年6月20日

 2021年4月に介護報酬・基準の改定が行なわれました。運営基準の改定では、すべての介護保険サービス事業者・施設に対して「職場でのセクハラ・パワハラの防止」の措置が義務づけられました。セクシャルハラスメント(以下、セクハラ)については男女雇用機会均等法、パワーハラスメント(以下、パワハラ)については労働施策総合推進法に基づくものです。
 運営基準上の義務化ですから、実施していない場合は保険者による指導・監査の対象となり、改善命令が出されることもあります。

 ちなみに、事業者が講ずべき措置について、厚生労働省(以下、厚労省)通知(留意事項)で強調されているのは以下の3点です。

 ①事業主の方針等の明確化

 ②①の方針についての従事者への周知・啓発

 ③相談体制の整備

となります。
 なお、パワハラ防止措置に関しては、中小企業(従業員100人以下など)の義務化は2022年4月からで、それまでは努力義務となります。

 ここで注意したいのは、利用者・家族等によるハラスメント(厚労省通知では「カスタマーハラスメント」と呼称)の防止について、一律の義務化とはなっていない点です。セクハラに関しては「利用者・家族等によるものも含む」と明記されましたが、パワハラについては、相談体制の整備や被害防止のための取組みは「推奨」にとどまっています。

 とはいえ、厚労省通知内では「介護現場では特に、利用者又はその家族等からのカスタマーハラスメントの防止が求められている」と明示しています。この点を考えたとき、次の2024年度改定では義務化の措置が改めて設けられる可能性もあるでしょう。そうした状況も見すえつつ、今回基準上で義務化されたパワハラ・セクハラ防止の措置の中に、「利用者・家族等によるハラスメントの防止」に向けた対策も明確に組み込んでおくことが必要です。

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