3.在宅介護 ①在宅介護の現場で生じやすいリスク
在宅介護の現場での特有のリスク
在宅介護の現場でも、さまざまな事故が発生しており、介護施設や居住系サービスでは想定しにくいリスクも潜んでいます。
在宅介護の特有のリスク
- 事故が発生しやすい状況が放置されているなどの環境面のリスク(サービス提供者が注意を促したとしても、日々の生活習慣から改善されにくい)
- 家族による福祉用具の誤使用や介助の慣れからくる油断などのリスク
- 在宅の介護サービス利用者の高齢化や療養ニーズの増加による医療面でのリスク
- ホームヘルパーの訪問時に、目を離した隙に死角ができて事故が発生するリスク
在宅における事故リスクで
増大しやすいものは?
- カーペット類の
わずかなめくれにつまづく - コード類が足元をふさぐ
- 夜間の頻回トイレで転倒
など
- 家族による慣れない移乗
- 移動介助に際しての転倒・転落
- 福祉機器類の使い方に慣れない
なかでのさまざまな事故
など
- 薬の数が増えることによる
誤った服薬
(認知症の人の過剰服薬など) - 誤嚥や
褥瘡 などのリスク - バイタルの悪化
など
専門職の目が届かない
なかでのリスク増大
物損事故や虐待のリスク
在宅介護の現場では、物損事故なども無視できません。もっと深刻なものとして、家族による本人への虐待があります。
物損事故にしろ、虐待にしろ、共通点として言えることは、外部の支援者による目が行き届かない、あるいは行き届いても支援者間で情報が共有されていないことが、リスクを大きくしていくという点です。
この「外部から遮断された状況」を、いかに顕在化する(見える化する)かが、在宅における事故防止の基本と言えるでしょう。
物損事故や虐待事例などの
リスクも気付かぬ間に蓄積
物損事故の例
①訪問介護の生活援助で掃除中に棚の物を落とす、洗い物をしていて食器を割ってしまう。
②掛け布団をストーブの側に干していて、表面を焦がしてしまう。
③日常的に使っている家財用具や福祉用具などが老朽化し、介護サービスの提供時にちょっとしたきっかけで壊れる。
③については責任の所在が明確にはできませんが、いずれにしても利用者の生活を維持するうえでは大きな支障となります。
虐待をリスクとして認識
- 虐待を「事故」としてとらえるかどうかは議論の分かれるところですが、虐待の多く(特に高齢者虐待の場合)は、家族側の積もり積もったストレスにあると考えられます。
- 支援者側がそれをリスクとして認識し対処していくことが、事故防止につながる事にもなります。