1.認知症ケア ①認知症の人に特有の背景
認知症特有の背景に目を向ける
介護現場に多い事故といえば、まず転倒・転落があげられます。これは認知症の人も同様です。しかし認知症の人の事故防止のためには、認知症特有の背景にも目を向けなければなりません。
認知症の人に起こりやすい
事故・トラブルの背景
※BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia:行動・心理症状)
認知症の症状には、「中核症状」と「行動・心理症状」(「周辺症状」とも言われる)がある。
「中核症状」には記憶障害・見当識障害・理解の低下などがあり、そこから二次的に起こる「行動・心理症状」は、徘徊・不潔行為・異食・人格変化・妄想などの形で現れる。
認知症の人の転倒リスクとその要因
- 認知症の人の場合、進行すると平衡感覚にも影響がおよび、筋力はそれほど衰えていなくても身体のバランスを崩して転倒するケースが見られます。
- レビー小体型認知症では、パーキンソン症状がみられることでの転倒リスクが高まることもあります。認知症の原因となる病態によって、転倒リスクが変わることも頭に入れておきましょう。
- 向精神薬を服用している場合、副作用による「ふらつき」などで転倒しやすくなることもあります。
- 見当識の衰えから「自分の身体機能」が十分に認識できないため、本当は自力歩行ができないのに、介助なしで突然歩き出し、そのまま転倒するというケースもあります。
- 「空間」への認識機能が衰えるゆえに、段差などが認識できずにつまずくなどのケースもあります。
- さらに認知症の人は、不安や混乱の心理に陥りやすく「唐突な行動」を起こしやすい傾向があり、リスクをさらに助長することも意識しましょう。
内部疾患や服薬の影響
認知症と言ってもさまざまな病態があり、同時に認知症以外の疾患や服薬の状況が中核症状などに影響を与えていることがあります。
目の前の「症状」は、
本当に認知症によるものか?
内部疾患や服薬の影響を
考慮したリスクの把握
- 事故を防ぐには、利用者一人ひとりについてのリスクを正確に把握することが必要です。そのためには、その人の全体像をまずアセスメントしなければなりません。
- 内部疾患や現状の服薬が、認知症の症状にどのような影響を与えているかについても、専門医の意見をきちんと聞き取ります。
- 内部疾患に対する治療や服薬などが適切に行なわれることにより、表に出ている症状が軽くなり、本人が穏やかに過ごせ、ケアの手間が減る可能性もあります。
認知症の診断
- 認知症を正しく診断するためには、心理検査のほかCTやMRI、脳血流検査などを駆使した総合的診断が必要です。
- まずはかかりつけ医にその人の認知症以外の疾患について、正確な診断を求め、その情報を認知症の専門医につなげたうえで、認知症診断をあおぎます。
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