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高齢者等終身サポート事業とは

一般公開日:2026.3.22

身寄りのない高齢者の現状

 世帯主が65歳以上かつ単独の高齢者世帯は2020年の738万世帯(全世帯の13.2%)から2050年には1,084万世帯(同20.6%)にまで増え、およそ5世帯に1世帯が65歳以上の独居の高齢者世帯となることが予測されています(※1)。

 また未婚化と兄弟人数の減少による小家族化と高齢化の影響により、家族や親族以外の人によるこれら身寄りのない高齢者の支援ニーズが高まっています。

 筆者は20年程医療・行政分野で相談業務や地域づくり等を行なってきました。身寄りのない高齢者の支援が増えている一方、身寄りのない高齢者の尊厳を尊重できる社会になっているかというと、まだまだ課題が多いと実感しています。

 例えば、入院・入所時に身元保証人等を求めることがありますが、厚労省は2018年4月に「身元保証人等がいないことのみを理由に医療機関において入院を拒否することについて」を各都道府県の医療機関へ通知し、身元保証人等がいないことのみを理由に患者の入院を拒否することは医師法に抵触するとの解釈を示しています。

 しかし、2023年8月に行なわれた調査(※2)によると、「入院・入所・契約の希望者が身元保証人等を用意できない場合の対応について」の問いに対して、「身寄りがないまま入院・入所・契約を可能としている(可能だった)」70%と回答された一方、「入院・入所・契約をお断りしている(断られた)」24%と回答結果があり、少なからず保証人がいない高齢者が希望通りの治療・ケアを受けることに苦慮する現状があることがわかります。

 また、入院・入所・契約をお断りする(お断りされた)理由として、「支払い、金銭管理が難しい」や「退所先の確保や入院支援などが難しい」、「入退院時に必要な手続き(介護サービス利用、施設入所)等の代行が必要」等が上げられています。

 そのような中、家族の役割を果たす機能を代替するかたちで高齢者等終身サポート事業者の需要は増していて、全国に少なくとも約400社あるといわれています(※3)。

高齢者等終身サポート事業とは

 2024年6月に政府は「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を策定・公表しました。このガイドラインが提供するサービスの目的は、高齢者等の意思決定を支援し、死後まで含めてサポートすることです。このため、事業の名称をこれまでの「身元保証等高齢者サポート事業」という呼称から「高齢者等終身サポート事業」に変更しました。

 高齢者等終身サポート事業で提供しているサービス内容は多岐にわたりますが、主に①「身元保証等サービス」、②「死後事務サービス」、③「日常生活支援サービス」に分類されています。利用者の判断能力が低下しているおそれがある場合には、必要に応じて関係機関と連携のうえ、成年後見制度等の手続きについて検討も行ないます。

 次回は、高齢者等終身サポート事業の課題や事業所の選び方のポイントについてお伝えします。

【執筆者プロフィール】

岡江 晃児/おかえ こうじ

ソーシャルワーカー。
2005年国立病院機構大分医療センター、2018年杵築市役所医療介護連携課、
2022年がん研有明病院を経て、2024年よりNTTデータ ライフデザイン。 現在に至る。
大分大学大学院福祉社会科学研究科修士課程修了。
著書「8000人を支援したソーシャルワーカーが教える入院・転院・退院の困りごと完全解決!」(メディカル・ケア・サービス/株式会社Gakken)

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