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利用者・家族等からのハラスメントに対するリスクマネジメント

第1回 ハラスメントの実態と発生要因

<ポイント2>利用者等からのハラスメントが現場に及ぼす影響

 「表面化しにくく、上司・管理者も対処に手をこまねきがち」という状況が、利用者等からのハラスメントの特徴です。しかし、放置すれば介護現場全体に多大な影響がおよびます。

 先の厚労省のマニュアル内で示された調査結果によれば、「ハラスメントを受けて仕事を辞めたいと思ったことがある」という従事者は、特養ホームで36%、事業所数が多い訪問介護と通所介護で29%におよびます。ハラスメントを受けた3人に1人は離職意向を高める傾向にあるわけです。介護人材不足が慢性化する中では、離職意向の高まりは事業所・施設にとって大きな損失となりかねません。

 さらに深刻なのは、ハラスメントの内容によって従事者がさまざまなダメージを負うことです。身体的暴力によるケガだけでなく、精神的暴力やセクシャルハラスメントによってPTSD(心的外傷後ストレス障害)を受けることもあります。いずれにしても、従事者が正常状態で業務に就けなくなる恐れも生じます。

 もう一つの問題は、ダメージが当事者だけでなく組織全体に及ぶことです。例えば、ハラスメントを受けた従事者が上司や管理者に相談したとして、再発防止などへの的確な対処が行なわれなかったとします。その経緯を見守る他の従事者としては、「自分たちは守られていない」という意識を持つことになるでしょう。当然ながら、組織全体の業務に対するモチベーションは大きく低下します。

 また、(ハラスメント行為は一部の人に限られるとしても)利用者・家族全体に対する従事者側の警戒感が増します。その結果、組織全体で利用者・家族との関係に溝が生じ、自立支援やQOL向上に向けたサービスの質が低下しかねません。サービスの質への評価を介護報酬に反映させる流れが強まる昨今、経営的な危機にも結びつきやすくなるわけです。

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