2.リスクのアセスメント ①アセスメント項目と3つのポイント
リスクを把握するための
アセスメント項目
要介護者がどんなリスクに直面しているかを把握するには、事前に与えられる初期情報をきちんと整理すること(アセスメント)が必要です。
ケアマネジャーや看護師、リハビリ職と連携して本人の状況を把握するともに、家族から本人の長年にわたる生活状況なども聞きます。
事前に整理したいアセスメント項目
1.疾患・既往歴
- 治療を必要とする疾患
- 過去の疾患の状況
- 今後の進行予測など
2.認知症の状況
- 認知症の原因となる疾患
- 現在の認知症高齢者の日常生活自立度
- 今後の進行予測など
3.服薬の状況
- 現在、服用している薬
- 服薬により考えられる副作用
- 今後の服薬管理の必要性
1~3によって生じるリスク
全体を通して生じるリスク
中長期的な状態の予測など
4.ADL(※)の状況
- 歩行、立位、座位などの状況
- 嚥下やコミュニケーション能力
- 本人の認知とのズレについて
5.その人の生活歴・生活習慣
- 長年の職歴や社会参加歴
- その人特有の生活習慣など
- その人の価値観・人生観など
6.サービス利用開始までの状況
- 発症からサービス利用の経過
- 在宅における生活の状況
- 特筆すべき課題など
※ADL(Activity of Daily Living:日常生活動作)
日常生活を営む上で、普通に行なう食事や排泄、整容、移動、入浴等の基本的な行動をさす。要介護者等が、どの程度自立的な生活が可能かを評価する指標としても使われる。
特に意識したい3つのポイント
事前情報は大きく3つに分類されます。
①本人の身体状況や認知能力の状況
②本人の生活習慣、生活上の意向
③本人の生活を支えている「環境」
「事前情報」のなかで、
特に意識したい
3つのポイントとその相関
※IADL(Instrumental Activity of Daily Living:手段的日常生活動作)
日常生活を送る上で必要な動作のなかでも、複雑で高次な動作をさす。電話の使い方、買い物、食事の支援、家事、洗濯、移動、外出、服薬の管理、金銭の管理の8項目で構成されている。
最近は、趣味のための活動も含むと考えられるようになってきている。
これまで「していた生活」を取り戻させる
支援のリスク
- 長年の生活習慣においてもリスクが潜んでいます。本人は長年の習慣どおりに行なおうとして、そのときの心身の状況に対する自己認識ができていないことがあります。
- 例えば何週間か入院した場合に筋力などが衰えていることがあります。無事、退院して帰宅し、「いつもどおりの生活」をしようと本人は思っていても、身体能力の低下を自己認識できていないため思い通りの動作ができず、転倒などの事故につながるケースがあります。
- これまで「していた生活」を取り戻させようという支援の在り方は、自立のために欠かせませんが、支援のためのケアや環境整備に誤りがあると、それが落とし穴につながることも考慮しなければなりません。