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【事例1】
親を呼び寄せて上手くいった ― 今のところ満足しています

 コウジさん(40代仮名)は妻と高校生の長女と東京都内のマンションで暮らしています。秋田の実家では70代の両親が二人で暮らしていましたが、一昨年父親が病気で急逝し母親は一人暮らしに。

 一周忌を終えたところで、母親と今後の暮らし方をじっくりと相談。母親は慣れ親しんだ今の生活を継続したい気持ちがあるものの、将来に不安も......。
 一方、母は学生時代、東京の大学に通っていたため、東京で暮らすことに大きな抵抗があるわけでもないようでした。

 そんなとき、コウジさんの暮らすマンションの別フロアに売り物件が出ました。母親は思い切って購入。東京に越してきました。今後のことは分かりませんが、今のところ母親は「来てよかった」と言っているそうです。

ポイント

 遠くで暮らす親が一人暮らしになると、「呼び寄せ」を考えるケースは多いです。しかし、うまくいかず、親が新たな暮らしに馴染めないことも珍しくありません。
 コウジさんのケースでうまくいったのには4つのポイントがあると思います。

1.時間をかけて話し合った

2.母親にとって呼び寄せ先は住んだ経験のある土地だった

3.母親が元気な状態だった

4.同居ではなかった

解説

 1つ目は、時間をかけて親子で話し合ったこと。なかには、一方の親が亡くなったとたん、「一人暮らしは無理」と決め付けて、当然のように「呼び寄せ」の話を進める子もいます。もちろん、良かれと思ってのことなのですが......。
 しかし、転居するとなると慣れ親しんだ土地、友人、知人とも別れなければなりません。亡くなった配偶者との思い出もたくさんあるでしょう。周囲ではなく、本人が自分の意思で決断しなければなかなかうまくいきません。

 2つ目は母親にとって東京はよく知った土地であったこと。この事例では大きなポイントです。通常、呼び寄せられる土地は「子どもが暮らしている街」であり、親にとっては知らないところです。高齢の親に限ったことでなく、若い世代でも、全く知らない土地に移住するのは不安が大きいものです。

 3つ目は母親が70代と比較的若い年齢であったこと。元気なので、子どもをあてにしなくても、自由に行きたいところに行くことができます。特に、コウジさんの母親にとって東京は知っている街。土地勘があり、地下鉄に乗ることにも抵抗はないでしょう。

 そして最後の4つ目は、「同居」ではなかったこと。ずっと別々に暮らしてきた場合、家族とはいえ、突然一緒に暮らすと生活習慣や生活リズム、価値観などの違いから衝突するという声をよく聞きます。

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