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ストレスで心身不調を起こしやすい要因

一般公開日:2018.11.18

 心療内科では、ストレスで心身の不調を来したさまざまな患者を診療しています。そうした心身の不調を引き起こす要因として、「過剰適応」と「失感情症」という2つの状態が注目されています。

 過剰適応とは、無理をして周囲に合わせようとする傾向のことです。環境に対して合わせることができない不適応もストレスになりますが、環境へ無理に合わせ過ぎても過剰適応となってストレスが蓄積し、心身の不調を誘発しやすくなります。

 仕事や勉強のことが頭から離れない、人から言われたように行動することが多い、人の評価が気になる、といった特徴がある方は、要注意です。「マイペース」の重要性に気づき、「できないことはできない」と上手に主張できればよいのですが、一般的にはなかなか難しいです。

 もう1つの失感情症というのは、自分の感情を自分できちんと理解できなかったり、人に上手に気持ちを伝えられなかったり、自分の心の内面に関する話題を避ける傾向のことです。こうした状態が続くと、自分の気持ちに気づかないまま、ブレーキをかけないで無理を続けることになり、身体的なダメージを受けやすくなります。

 例えば、大切な家族と死別するなどショックな出来事があると、一時的に失感情症になることがあります。そうした場合は、タイミングをみて悲しむ時間をしっかりと作り、その気持ちを信頼できる仲間などにしっかりと語ることが大切になります。カウンセラーによるカウンセリングもお薦めです。

【執筆者プロフィール】

中尾 睦宏/なかお むつひろ

心療内科医。国際医療福祉大学医学部教授。
東京大学医学部卒業、東京大学大学院修了、ハーバード大学大学院修了。帝京大学医学部附属病院、山王病院(現在)で心療内科医として勤務。

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