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ストレスで病気になったら

一般公開日:2018.11.18

 ストレスで心身の不調を来した人が病院を受診したら、どのような治療が行なわれるか気になるところです。心療内科では、「話を聴く」、「薬を処方する」、「適切な安静を保つ」が治療の3原則となります。専門用語で、「心理療法」、「薬物療法」、「環境調整」と呼ばれています。

 心理療法としては、認知行動療法と呼ばれる技法が注目されていることを8月2日号でご紹介しました。うつ病や不安症といったメンタルヘルスの問題だけでなく、高血圧や慢性疼痛といった身体疾患や、喫煙や学習障害といった行動面の問題に対しても有用性が示されています。

 心身不調の症状が著しいときは、薬が処方されます。症状に応じて、睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬などが処方されます。効果が出るまで時間がかかることもありますので、自分で勝手に服用を中断せず、必ず主治医のアドバイスを受けながら服薬してください。

 環境調整は、本人が環境から強いストレスを受けている場合、まずはその場から距離を置き、十分な安静を保って安心感を得ることが大切となります。患者が働いていたら、主治医が休職を促し、自宅安静や入院を薦めることもあります。周囲の支援も大切なので、元の環境に戻った時に周りがどこまで本人を心理的・実務的にサポートできるかを見定めます。

 自分でストレッチや呼吸法などのリラクセーション練習をしたり、何か気晴らしになることをしたりするなど、コンディションを整える練習を環境調整と同時に行なうと、より効果的です。

【執筆者プロフィール】

中尾 睦宏/なかお むつひろ

心療内科医。国際医療福祉大学医学部教授。
東京大学医学部卒業、東京大学大学院修了、ハーバード大学大学院修了。帝京大学医学部附属病院、山王病院(現在)で心療内科医として勤務。

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