マスク越しの会話を伝わりやすくするには
マスクをして話す場合に、伝わらないからといって大声を出す必要はありません。声量は"やや大き目"くらいにして、
- 少し極端なくらい、ゆっくりと話す
- 言葉の1文字1文字をハッキリと話す
- 言葉の子音(特に語頭の子音)を明瞭に発音する
を心掛けてください。
特に、相手が40歳以上(さらに特に高齢者)の場合はこれらを必ず実践してください。なおマスク+飛沫防止シートの場合はシートで全体の音量が落ちてしまいますから、もう少し声を大きめにする必要があるでしょう。
「忙しいのにゆっくり話してなんかいられない」という人もいるかもしれません。以前にある企業で上記のような話し方の研修を受講し、私たちが開発した話し方練習アプリでトレーニングしたスタッフで接客時間を計測したことがあります。
その結果、受講+トレーニングで、話し方がとてもゆっくりになったスタッフたちの方が、それ以外のスタッフよりも明確に接客時間が短くなっていたのです。聞き返しやトラブルの回数が減ったからです。
コロナ禍の社会貢献活動として、これまで有料で提供してきた話し方練習アプリと話し方研修の内容の一部を、現在、無料で公開しています。これまでのお話しを実践してみようという皆さんは、以下を参考にしていただくのも良いと思います。
◆無料アプリ「想いやりトーク」総合情報サイト
https://www.otodesigners.com/omoiyari.html
◆想いやり話し方講座「想いやりトークチャンネル(YouTube)」
https://www.youtube.com/channel/UCdyVxcMrbq0FZMM9Rz74O8Q
【執筆者プロフィール】
坂本 真一/さかもと しんいち
(株)オトデザイナーズ代表取締役。難聴など聴こえに関する専門家。2015年より九州大学および京都光華女子大学客員教授 。
著書に「音響学を学ぶ前に読む本」(出版社:コロナ社)など。