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補聴器適合検査を受けてみよう

一般公開日:2024.3.17

 多くのシニア世代の方にとって補聴器は、仕事や生活をとても快適にしてくれる機器です。聞こえ方は若いころとは違ってくるでしょう。
 しかし自分に合った補聴器を購入し、正しい調整を行なってもらえれば、かなりの高確率で生活や仕事の助けになるのです。

 ところが世のなかには、さまざまなタイプ、さまざまな価格の補聴器が存在します。形状だけでも耳にかける耳かけ型、耳の穴にスッポリと収まって、ほとんど見えない耳あな型、耳の穴の型を取って作るオーダーメイドタイプなどがあります。

 その機能も騒音抑制機能、ハウリング抑制機能、補聴器に入ってきた音を記憶して自動的に適した音質・音量に調整してくれるデータロギング機能などなど、本当にさまざまです。

 「30万円以上する補聴器を購入したのに、サッパリ聞こえるようにならない!」といった話をよく耳にしますが、補聴器は"多機能、高価格なほど良く聞こえる"というものではありません。だからこそ基本的な知識を身につけて、正しい買い方をする必要があるのです。

 まずは「お医者さん(ドクター)に相談しよう」という方が多いでしょう。それが間違いだとは言いませんが、ドクターにも得手不得手があることを知っておいてください。
 例えば耳鼻科のドクターであっても、花粉症や蓄膿症は得意だけれど、難聴や補聴器は不得手だというドクターもたくさんいます。

 補聴器の購入を考えているのであれば「ドクターが補聴器に詳しい」「良心的な補聴器屋さんと連携している」、この2点を満たしている医院で相談することを考えましょう。

 「補聴器適合検査」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?これは「補聴器をした状態と補聴器をしていない状態の聴力の違い」「補聴器をした状態としていない状態の言葉の聞き取り能力の違い」「使っている(使う予定の)補聴器の特性の測定」といった項目がある検査です。

 要するに、補聴器をしたときのコミュニケーション能力の改善度合いを測ってくれる検査です。補聴器を使っている人、またはこれから補聴器の使用を考えている人には、ぜひ受けてもらいたい検査です。健康保険も使えます。

 実際には、補聴器適合検査を実施できる医院は、あまり多くはないのですが(耳鼻科以外の診療科ではほぼ皆無です)、この検査ができる医院を探し、少し遠くてもそこで相談することをおすすめします。

【執筆者プロフィール】

坂本 真一/さかもと しんいち

(株)オトデザイナーズ代表取締役。難聴など聴こえに関する専門家。2015年より九州大学および京都光華女子大学客員教授。
著書に「音響学を学ぶ前に読む本」(出版社:コロナ社)など。

加齢性難聴の人が補聴器を購入する前に知っておきたいこと

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