MY介護の広場トップ >  一般のみなさま >  介護の知恵袋 >  メールマガジン配信コラム&エッセイ~専門家が語る介護の話~ >  杉本浩司はなぜ”介護”なのか?・ニガテなモノは克服しないとカッコ悪い

ニガテなモノは克服しないとカッコ悪い

一般公開日:2020.03.22

 元モデルで「かっこいい介護士」として注目され、各種メディアでも話題の介護福祉士の杉本浩司さん。「介護から日本を変える!」と講演活動で全国を飛び回る杉本さんのエッセイです。

 私は特別養護老人ホームの介護職として入職し、多くの介護保険サービスを経験したのち、特別養護老人ホーム施設長等を経て、直近では法人本部で採用・教育の責任者に従事してきました。また、この10年間は全国で介護のイメージアップの講演や執筆等もやってきました。今でこそ介護にどっぷりですが、元々は「高齢者がダイキライ」だったんです。第1回はなぜ、ダイキライな高齢者の介護の世界に入ったのかをお伝えします。

 私は高校生の頃から将来はファッションモデルになると決めていました。高校生の頃から「なる」と言い切るような生意気な子どもでした。志望大学も決まっていたので、高校3年生のときは受験勉強に精を出しました。「他人と同じは嫌」という偏屈なところもあり、予備校には通っていませんでした。高校3年生の夏休みは毎日、高校の図書室で勉強をしていましたが、ある日、図書室が使えないことがあり、進路相談室で、中学生の頃に興味のあった保育士の専門学校のパンフレットを開いたところ、無性に保育士になりたくなり、その場で大学受験を辞め、保育士の専門学校の推薦をもらいました。

 このときにビックリな出来事が起こります。偏差値の高い有名大学に行けるレベルにあったにもかかわらず、専門学校の推薦入試に落ちてしまったのです。開いた口が塞がらないとは正にこのことです。理由はピアノが弾けないこと等だと思っていますが、ひょっとしたら素行の悪さだったかもしれません。

 大学受験の願書もすでに締め切られていて、これからどうしようと思ったときにたまたま手に取ったパンフレットが介護の専門学校だったのです。当時の私は、駅等でこちらが急いでいるのに行動がゆっくりな高齢者と独特の老人臭が「ダイキライ」でした。

 私は閃きました。『「ファッションモデル=カッコイイ」なのに「ニガテなもの、キライなものがある人=カッコ悪い」』と。将来ファッションモデルとして活躍する私はニガテなものを克服しなくてはと思い、介護業界に入る決意をしたのです。

【執筆者プロフィール】

杉本 浩司/すぎもと こうじ

メディカル・ケア・サービス株式会社。
元モデルで「かっこいい介護士」として注目され、各種メディアで話題の介護福祉士。

MY介護の広場トップ >  一般のみなさま >  介護の知恵袋 >  メールマガジン配信コラム&エッセイ~専門家が語る介護の話~ >  杉本浩司はなぜ”介護”なのか?・ニガテなモノは克服しないとカッコ悪い