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知らない介護の世界はビックリ箱

一般公開日:2020.03.22

 介護の専門学校へは無事に入ることができました。私が入学した平成8年(1996年)は今と違って介護職をめざす方がとても多く、私が入学した専門学校の介護系学科の同級生が400名以上いました。介護福祉学科だけでも160名以上おり、1クラスは40名以上でした。介護は人気があるということにもビックリでしたし、クラスメートの入学の動機が私と違うことに申し訳ないとも思いました。

 「自分がかかわって、笑顔にしてあげたい」や「◯◯してあげたい」といったクラスメートの想いに違和感も感じました。介護への想いが強いから「主語=介護職(学生)」になってしまってるのだろうと解釈しました。「ニガテを克服」するために介護の専門学校に入学した私は、「主語=利用者」で介護職は「その人が今までの生活を取り戻す」ためにやるべきことを実践するといった仮説を立てていました。

 初日の1限目の授業は担任の講義でした。その際に担任から「みんな経験しているとは思うけど、ボランティアやったことある人は手を挙げて?」と質問がありました。私がダイキライな高齢者のためにボランティアをするわけがなく、手を挙げませんでした。私以外のクラスメートは全員が手を挙げました。

 すると担任から「杉本くん、お昼休みに職員室の私のところに来て」と言われました。お昼休みに担任を訪ねると、「あなたに介護は向いていないから学校を辞めなさい」と言われたのです。授業初日、しかも1限目の授業で「介護に向いていない」と言われたことはビックリでしたが、高齢者がダイキライな自分だから向いていないと言われるのも仕方ないと納得した部分もありました。ただ、学費はすでに納入しているし、「ニガテを克服」せずに辞めるわけにはいきませんでしたので、授業初日に担任に逆らって継続することを宣言しました。

 その後も日々の授業や実習先の特別養護老人ホームでのリアルな介護場面でもビックリの連続でした。あまりにビックリの連続で違う星に来たようでした。

【執筆者プロフィール】

杉本 浩司/すぎもと こうじ

メディカル・ケア・サービス株式会社。
元モデルで「かっこいい介護士」として注目され、各種メディアで話題の介護福祉士。

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