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介護の魅力・専門性はこれだ!「介護の仕事のimageは悪い!いや、『介護』そのもののimageが悪いんだ!」

一般公開日:2020.03.22

 「一人ひとりにあったスポットライトを当てて、日本一の介護福祉士になる」と決めた私は特別養護老人ホームでケアワーカーを2年、その後、訪問介護でご自宅で1対1で行なうケアを8年やりました。

 さらに、デイサービス管理者、在宅のケアマネジャー、地域包括支援センター長を経て特別養護老人ホームの施設長をしましたが、どの事業でも一人ひとりにスポットライトを当てるということにこだわってきました。

 かつて、人気のあった介護の仕事ですが、好景気のため他の仕事と比較して人気がなくなっていき、毎年人材不足が深刻化していきます。

 私は2007年から講演活動を始めています。講演活動の目的は介護の仕事をしている人のprideを醸成すること、介護の仕事のimageをよくすることです。今では年間70回を超える講演回数をこなしています。私の講演を聴いて介護の仕事に対してモチベーションが上がる方は大勢いますが、介護の仕事のimageは正直、あまり変えることはできていません。なんでだろうと考え続けて、やっと理由がわかりました。

 介護の仕事のimageも悪いけど、それ以上に「介護」という業界のimageが悪いんです。世間の多くは介護が必要な方を「かわいそうな人」「大変そうな人」と見ているのです。この人たちの日々できないことや、認知症の人の大変な行動に付き合うから、介護は「地味で過酷な大変な仕事」と思われてしまうのです。だから介護は3Kと言われるのでしょうし、最近では8K(※)とも言われているようです。そして、介護を受けている本人たちの多くも介護してくれる人たちに「ごめんね」「申し訳ない」と思っています。

 ネガティブなimageの連鎖です。この状態ではいくら介護職のすばらしさを話しても介護職のimageがよくなるわけないですよね。

 介護職のimageをよくするには、介護を受ける方たちのimageをよくする必要があったのです。介護が必要になっても笑顔で楽しそうに外出し、その人らしく生きている。こうなれば、介護が必要な方たちを支える介護職のimageもきっとよくなるはずです。

※介護の8K
介護の仕事にありがちな負の側面を、従来言われている3K(きつい、汚い、給料が安い)に加えたもの。例えば気苦労が多い、腰が痛い、記入物が多い、休暇がとれない、結婚ができない、など。

【執筆者プロフィール】

杉本 浩司/すぎもと こうじ

メディカル・ケア・サービス株式会社。
元モデルで「かっこいい介護士」として注目され、各種メディアで話題の介護福祉士。

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