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謎のチャイナドレスの美人の一言で僕の人生は決まった

一般公開日:2020.03.22

 入学当初に抱いた、クラスメートの介護への想いに違和感は感じたまま、時間は過ぎて2年生の秋になりました。「ニガテを克服」するために介護の世界に入った私は授業や実習で意外なほど簡単にニガテ意識を克服できていました。介護する人の歴史を知ることでその人をリスペクトできるようになりました。

 専門学校の2年生の秋くらいにはじめてファッションショーでモデルを経験します。その後は専門学校を卒業し、都内の特別養護老人ホームで働きながら、たまに雑誌や小さなファッションショーに出させてもらっていました。

 当時、日本で一番人気のあったファッション雑誌の専属モデルのオーディションがあり、応募したところ、5,000名以上の応募者の中から30名程度のところまで残ることはできましたが、専属モデルになることはできませんでした。このオーディションは今でもよく覚えています。やらずにできない言い訳を並べたくなかったので、私は「日本一のモデルになる」と強く思い、行動しました。そのことがまずは「感情を持って行動すべき」だという今の私の考えの基礎になりました。その後も休みを使ってたまにモデルは続けました。

 入職2年目に知り合いのある経営者からレセプションパーティーに呼ばれ、参加しました。そのときに会場で隣に立っていたチャイナドレスの綺麗な方と意気投合してお酒を飲みながら語りました。そのチャイナドレスの綺麗な女性と出会ったことが私の人生を変えました。彼女に「モデルをして何が楽しいの」と聞かれました。私は「雑誌の撮影もファッションショーでランウェイを歩くのもスポットライトを浴びるのが気持ちいい」と答えました。すると彼女に「あなたはモデルで日本一にはなれない」と直球で言われてしまいました。イラっとするも何も言い返せないでいると、「介護が必要な高齢者って家で邪魔者扱いされている人が多いと思います。スポットライトを当ててもらったことがあるあなたがかかわれば、そんな人たち一人ひとりにあったスポットライトを当てられるようになるんじゃない?」こう言われた私は体中に電気が走り、このときに『一人ひとりにあったスポットライトを当てて「日本一の介護福祉士になる」』と決めました。

【執筆者プロフィール】

杉本 浩司/すぎもと こうじ

メディカル・ケア・サービス株式会社。
元モデルで「かっこいい介護士」として注目され、各種メディアで話題の介護福祉士。

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