3.看取りに際しては、ご本人の自己決定が重要です
監修:川越 博美(訪問看護師/訪問看護パリアン看護部長)・髙本 眞左子(一般社団法人セルフケア・ネットワーク代表理事)
いざというときに困らないように、元気なうちに準備できることがあります。
まずは、ご家族や身近な人と話し合っておきましょう。そして、準備できるものは事前にしておきましょう。
伝えておきたいことを書き留める『エンディングノート』

介護や治療の方針をはじめ、財産や遺品の一覧、葬儀やお墓の希望、家族へのメッセージなど、伝えておきたいさまざまなことを書き留めておくものです。
市販されているものもあるので、難しく考えず、思いついたことから書き始めてみましょう。
どのような治療・介護を受けたいのか『アドバンス・ケア・プランニング(ACP)』

「事前医療ケア計画」のことです。どのような治療や介護を受けたいのか、あらかじめご家族や身近な方と話し合ってまとめておきます。
将来もし意思決定能力がなくなっても、話し合いや書き残したものから、医療スタッフやご家族に、自分の意思を尊重して最善の方法を選択してもらうことができます。
アドバンス・ケア・プランニングは、「ACP」や「人生会議」という愛称で呼ばれることもあります。
延命治療に対する意思表示
『リビングウィル』

最期を迎えるときに、延命治療(心肺蘇生術、心臓マッサージ、人工呼吸器の装着など)を望むかどうか、あらかじめ希望を明らかにしておくものです。
回復が見込めなくなり、意思表示もできない状態になったときに、医療スタッフやご家族はこれをもとに治療方針を決定します。

Message
在宅での死とは、命の営みを自然な形で終えることです。
在宅で最期のときを迎えるということは、最期まで自分が生きたいように生きること。そして自らの死を、ご家族とともにつくることでもあります。