老後の住まいを考える
登場人物

老後が心配に
なってきた
高齢者の男女

不動産
コンサルタント

死ぬまで元気で自分のことは自分でやりたいと思っていますが、最近、風呂掃除など家事が面倒になってきました。
血圧も高めですし、お金の管理もたいへんだな~と。

高齢になると心身の機能の低下が避けられませんから、さまざまな場面で人の手を借りなければならない場合が出てきます。
介護状態になることも視野に入れないといけませんね。特に終の住処をどこにするかは、とても大切な問題です。


介護と言っても、誰かの世話になるのだから自分ひとりでは決められないことが多いですよね。

誰かの世話になろうと思っている人こそ、早く考え、介護を託したい人と話し合っておく必要があります。


私はひとり暮らしですが、最期まで自宅で暮らすつもりです。

気力や体力があり、自分で意思決定できるうちに、「どこで誰と住むか、そしてどのように介護を受けたいか」を考えておくことが大切ですね。

「老後の住まい」の選択と留意点を、
確認してみましょう。
「老後の住まい」の選択は?
老後の住まいは「元気なとき」、「身の回りのことができなくなったとき」、「介護が必要になったとき」の3つの時間軸で考える必要があります。
留意点
①訪問介護・医療を受けながら、
ひとりで最期まで自宅で暮らしたい
- ひとり暮らしだから、もしも身の回りのことが自分でできなくなったら、自宅で最期までは無理、と考えていませんか。
介護が必要になったとき、子どもや親戚などの支援が得られない、一見、在宅療養が難しそうな場合であっても、訪問診療、訪問看護、介護保険サービスなどに支えてもらい最期まで自宅で過ごすことができます。
しかし、医師不足など医療が必要な高齢者に対する医療体制が十分とは言えず、最期を迎えるまで自宅で暮らすことが難しい地域もあります。情報をまめに収集しておきましょう。 - 身体の状態に応じて、手すりや段差解消など自宅の住宅改修が必要なこともあります。
②自宅で家族と同居し、介護を受けたい
- 住みなれた自宅で、家族介護と介護保険サービスを受けながら最期を迎える形です。
安心ですが、子どもなど家族に世話をかける比重は大きくなります。 - 身体の状態に応じて、手すりや段差解消など自宅の住宅改修が必要なこともあります。
- 心身の状況が激変し、意思を伝えにくくなることもあります。
状況が変化した場合のことも考えて、エンディングノートなどに書き残しておくことも必要です。
③元気なうちに施設に住み替えたい
- まだ気力、体力、知力があるので、見学や体験入居などをしながら、自分の好みやニーズに合った施設を選ぶことが出来ます。反面、元気なので、施設に入るタイミングがつかみにくいともいえます。
- 元気なうちの住み替えは、「今の状況」で選びがちですが「将来、介護状態になった場合」を考慮しましょう。
- 施設によって長所や短所があります。また入居後のトラブルもあり得ます。入居前の入念なチェックが必要です。
- 自分で探すのは困難なので、施設探しのプロにお願いする方法も検討しましょう。
④自宅にいて、介護が必要になったら
施設に移りたい
- 庭木の手入れなど一軒家の管理が大変になってきたら、体力のあるうちに交通の便がよく、病院や商店街に近く生活に便利な家に移ることも一つの方法です。
- 介護といっても段階があります。施設に入るタイミングとしては、ひとりでトイレに行けなくなった、認知症などで火の始末ができなくなった、食事が摂りづらくなった、要介護度が重度になった場合などがあります。
- いざ介護施設を探すとなったとき、自分で施設を見つけるのは難しいでしょう。元気なうちに調べておいて希望を伝えておくようにします。
⑤介護を見すえて子ども・親族の家で
暮らしたい
- 子どもなど家族や親族の同意を得ておきましょう。
長年別々に暮らしていた子どもや親族との同居は、人間関係などそれなりの難しさはあります。 - 慣れ親しんだ土地での生活から移転する場合、持ち家をどうするか、お墓の問題、友人と離れることなど、生活が激変します。
- 子どもなど家族や親族の近くに住む場合も、自宅ではなく、近くのサービス付き高齢者向け住宅などに住むというのも選択肢の一つです。