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Q1 介護事故には、どのようなケースが多いのですか?

公開日:2017年3月18日
Q1 介護事故には、どのようなケースが多いのですか?

介護現場で事故が発生した場合、事業者や施設はその詳細を市町村に届け出ることが義務づけられています。その報告内容の約8割は、ベッドや車椅子などからの転落事故、そして歩行中や立ち上がりに際しての転倒事故となっています。次いで多いのが、食べ物を喉に詰まらせたり、誤嚥によって肺炎などを併発するというものです。それ以外では、体位交換などの介助を行なっている際に、利用者を骨折させてしまったり、皮膚を傷つけたりという、いわゆる「介護ミス」によるものがあります。
 ただし、転倒・転落が多いとは言っても、あくまで市町村に報告が上がったケース内での話です。転倒や転落というのは、事故の瞬間が比較的分かりやすいゆえに、報告としても上がりやすいととらえることができます。実際は、誤嚥性肺炎などのケースも報告以上に多いというのが実感ですが、「食事中に食べ物が気管や肺に回って、ひどくむせた」という状況がない場合、後で肺炎による熱発などがあっても、因果関係がはっきりしないまま、事故として報告がなされないケースも考えられます。
 むせる力が弱まっている要介護者の場合、食べ物のかすなどが肺に回っても表向きの変化に気が付きにくいことがあります。また、口腔ケアが十分に行なわれていないゆえに、口の中の雑菌がだ液などとともに肺に入って、それゆえに肺炎を発症するといったパターンもあります。
 転倒・転落にしても、転んだ瞬間などを職員等が目撃していない場合、本人の訴えやあざなどの確認がないと気づかないままになってしまうことがあります。転倒した頭を打ち、硬膜下血腫が生じたとしても、頭痛や意識障害などの症状が遅れて出てくることがあり、そうなると「いったい、いつ、どこで頭を打ったのか」が分からないままというケースも見られます。
 つまり、因果関係がはっきりしないという事故が、現場ではより多く発生している可能性があるわけです。事業者や施設、そして事故報告を受け付ける行政などの調査能力が進んでいけば、どのような事故が多いのかという比率は大きく変わることも考えられます。全国レベルのしっかりした調査が求められています。

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