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Q25 現場において公序良俗に反する事実が発覚した場合はどのようにしたらよいでしょうか?

公開日:2017年3月18日
Q25 現場において公序良俗に反する事実が発覚した場合はどのようにしたらよいでしょうか?

虚偽の申請によって生活保護などを騙し取るというケースがありますが、介護保険においても「悪意ある利用者」によってサービス提供者側が不利益を被るというケースが時々見られます。もちろん、認定調査などを偽って認定を受けたなどという場合は、それ自体違法行為ですので認定そのものの取り消し事由となります。問題なのは、現場職員が「利用者からセクハラ行為を受けた」「利用者に殴られた」などというケースです。
 この場合、セオリーとしては「セクハラ行為や暴力行為に及ぶ利用者の心理的背景」に着目し、仮にそこに悪意があったとしても、その悪意につながっている本人の寂しさやつらさ、苦しさなどをどうケアすればよいかという視点でケアマネジメントが行なわれます。しかしながら、実際にセクハラや暴力を受けた現場担当者には心の傷などが残り、それが離職などにつながったり、「事業所が対応してくれない」という不満・不信が労働法違反にあたると指摘されてしまうこともあります。
 こうしたリスクを避けるうえでは、第一に「現場で発生したことはすべて報告する」ことを徹底したうえで、記録などに書けない、他の同僚に聞かれると困るというケースについて、本人の秘密保持を尊重したうえで特定の上司が個別に話を聞くという体制を整えておきます。(この場合、上司への通告によって担当者に不利益は絶対に生じないことをあらかじめ伝えておくことが大切)
 第二に「ヒアリングした状況に応じ、担当を迅速に変える(セクハラ行為があるのなら、男性職員に交代するなど)」ということを普段からシミュレーションしておくことです。人手不足に陥りがちな介護現場では、いきなりの人員転換は難しいケースが多々ありますが、それゆえに「今はなにも起こっていない」状態であっても、事前に対応を準備しておくことが重要なのです。
 より深刻なのは、逆に、サービス提供者側が虐待や窃盗などの不法行為におよぶケースです。こうしたケースを防ぐ方法として倫理教育の徹底があげられますが、出来心やストレスなどのなかには、本人でもコントロールできないケースがあります。そこで、職員の日常の言動などについて、利用者をアセスメントするのと同様に気を配り、少しでも変化がある場合は「利用者の状況を知りたい」などの名目で個別面談を行ないます。また、ヘルパーによる窃盗などを防ぐうえで、利用者宅の金品などはきちんとしまってもらうことをお願いします。(あくまで「ヘルパーによる窃盗防止」ではなく、「紛失などがあった場合に事業所も責任を問われる」ということを名目にしてお願いすることが重要です)

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