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Q17 事故防止のために、何から始めればいいのでしょうか?

公開日:2017年3月18日
Q17 事故防止のために、何から始めればいいのでしょうか?

 介護現場における事故を防ぐには、それを実現できるシステムづくりが必要です。個々の職員の力量に頼るだけでは、その特定の人材が仮に現場を離れてしまえば、それだけでリスク管理が不安定になるからです。
 ただし、形だけでのシステムを作って現場に押し付けても「机上の空論」になりがちです。大切なのは、すべての現場職員が事故防止のシステムに積極的にかかわるだけのモチベーションを持ち続けることです。そこで、「現場が主人公となったシステムづくり」を皆が実感し、その必要性について全員が前向きになれるような環境を作ることから始めます。システムを機能させる「動機づけ」を図っていくことが第一歩といえるわけです。
 具体的に何をすればいいのか。まずは、日々のケース検討をしっかりと行なうことです。事故リスクというのは、現場における日々の利用者支援の中に潜んでいます。それを明らかにする中で、そのリスクを事故に結び付けないようにするには何が必要かを考える機会が生じます。
 残念ながら、日本の介護現場には、慢性的な定着率の悪さなど様々な問題があります。そこで働く人たちの心の中には、「どこかが変だ」「何を変えなくてはならない」という思いが多少なりとも潜んでいます。でも、日々の業務に追われる中で、課題がどこにあるのかを見つめる機会というのは、なかなか取りにくいのが現実です。
 この「現場における課題」は、日々のケースの中に存在し、そのケースをしっかり検討する中でふっと姿を見せることがあります。例えば、歩行能力の衰えた利用者Aさんには常に転倒リスクがあるとします。常に見守るだけの人員確保は難しい。ところが、Aさんがあちらこちらを歩き回ろうとする背景には、Aさんなりの心理が働いていることがケース検討で分かった。では、不穏にならないための事前のケアや、歩き回ろうとする時間帯や環境を考慮したうえでシフト改編ができないか──こういう思考の流れを確立することができます。
 その時、多くの職員は目の前がぱっと開けた感覚になるはずです。これを続けていくことで、「システムをどう作ればいいか」「そのことがなぜ大切か」という動機づけに結びついていくというわけです。

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