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Q3 利用者本人のリスクをどのように把握すればいいのでしょうか。

公開日:2017年3月18日
Q3 利用者本人のリスクをどのように把握すればいいのでしょうか。

 利用者本人のリスクには、①ADLや既往歴などの身体状況に関するリスク、②精神状況や認知面に関するリスク、③生活の意向に隠されているリスクの3つをあげることができます。ここでは、①のリスクにはどのようなものがあるか、どうやって把握し事故防止につなげていくことができるかを考えてみます。
 本人の既往歴や現在の疾患については、事前に医療情報が伝わっているはずです。ただし、疾患に関する情報は提供されても、それによって「どのようなリスクが考えられるのか」という点は十分に伝わってこないことがあります。カンファレンスやサービス担当者会議の場を通じ、生活に落とし込んだ場合の状況について、医師や看護師からきちんと聞き取る習慣が大切です。
 また、健診に際してのさまざまな数値について、大きな変動がないかどうかをチェックします。すぐには深刻な病状悪化につながらない数値変化であっても、変化があるということは、将来的なリスクにつながる可能性もあります。その後の健康管理に際して、どのような注意が必要なのかをやはり積極的に聞き取るようにします。
 ADLに関しても、やはり随時変化していくことを考慮し、事前情報にとらわれず、本人の生活状況を見ながら随時再アセスメントを行なっていくことが必要です。その際、注意したいのは、一日のうちの限定された時間帯でチェックをするだけでは、思わぬ見落としが生じることです。例えば、日中は十分に自立歩行ができている人でも、寝起きでトイレに立ったりしたときに「ふらつき」が生じ、歩行に際して「手がかり」が必要になるというケースがあります。つまり、「手がかり」という日中は意識しない環境要因も、夜間のアセスメントの結果次第では注意して見ていく必要があるわけです。
 ポイントは、24時間を通じた本人の経過記録をきちんと作成すること。そして、日中担当の職員は夜間の記録を、夜間担当の人は日中の記録に必ず目を通すことです。目の前の利用者の状況や事前のアセスメントと照らした際、記録内容とのズレを何かしら感じた場合、そこには見落としがちなリスクが存在している可能性があります。この点を見逃さない習慣づくりが求められます。

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