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Q8 誤嚥事故を防ぐには、まずどんな点を注意すべきですか?

公開日:2017年3月18日
Q8 誤嚥事故を防ぐには、まずどんな点を注意すべきですか?

 転倒・転落に次いで多いのが、誤嚥事故です。利用者の嚥下能力が低下していて食べ物や飲み物などを正常に飲み込むことができず、喉に詰まらせて窒息に至ったり、食べ物のかすなどが気管や肺に回って、呼吸を阻害したり肺炎を引き起こすなど様々なパターンがあります。
 事故を防ぐ基本としては、利用者本人の嚥下能力を十分に把握したうえで、食事の形状に配慮したり、飲食時の見守りをしっかり行なうことです。しかしながら、食後の口腔ケアが不十分だったりすると、口の中の雑菌がだ液とともに肺に回って誤嚥性肺炎の発生につながることもあります。また、認知症が重度になってくると、口の中に食べ物をふくんだまま、そのことを認知できなくなり、何かの拍子に喉に詰まらせるなどというケースもあります。いずれにしても、様々なタイミングで、多様な事故の可能性を考慮しなければなりません。
 その意味では、時間経過とともに、その時々の状況を他の介護者等にきちんと引き継ぐことが重要になります。また、嚥下反射の状態を現場に周知する際には、医師や看護師、ST(言語聴覚士)からの情報提供が必要です。食事の形状についても、STや栄養士からの指示などに注意を払うことが求められます。つまり、随時のチーム連携の仕組みがポイントになるわけです。
 以下のようなケースでもチーム連携の重要性がカギとなります。誤嚥事故の発生を左右する嚥下反射は、時として急に低下することがあります。例えば、突然の脳梗塞などによって嚥下ができなくなるといったケースがあり、その場合、脳梗塞がもたらす危険性もさることながら、気づかずに食事介助をしてしまうことにより、食べ物を喉に詰まらせて窒息死してしまうなどという危険もつきまといます。そうした時、介助をしている職員がいち早く異常に気が付き、救急救命を行なうとともに医師や看護師に対して迅速な連絡を取ることが、重大な結果を回避するうえで大切になってきます。
 脳梗塞などの場合、突然「ろれつ」が回らなくなるなど、いくつかの兆候が認められます。医師・看護師からそのあたりのポイントについてあらかじめ指示を得ておくことも、チーム内連携での重要な一例といえます。

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