MY介護の広場トップ >  介護従事者・事業者のみなさま >  介護のリスクマネジメント >  介護現場のヒヤリハット 中堅・リーダー向け >  Q20 不幸にして事故が発生したとき、対処法をどうすればいいでしょうか?

介護現場のヒヤリハット 中堅・リーダー向け

Q20 不幸にして事故が発生したとき、対処法をどうすればいいでしょうか?

公開日:2017年3月18日
Q20 不幸にして事故が発生したとき、対処法をどうすればいいでしょうか?

事故発生等の緊急時においては、現場の職員は気が動転して的確な対処は簡単ではありません。やはり、いざというときの事前準備が重要なポイントになります。基本は、緊急性を要する場合(利用者がケガをした、など)を想定し、①その場での対処法をマニュアル化し、②スタッフ全員に徹底させたうえで「その状況」を想定した訓練・研修を行なうことです。マニュアルだけ用意しても、実際は現場の理解が及んでいないために、いざというときに役に立たないケースが目立つからです。
 ①のマニュアルについては、まず「状況観察の方法」を示したうえで、その観察結果によって何を優先させるかを示しつつ、「救命法」や「緊急時の連絡先」へとつなげていくというフローチャートを作成します。文字だけでなくチャートという形で図式化することにより、「こういう場合には次に何をすればよいか」という流れが頭に入りやすくなります。これらを事故のケース別(転倒・転落事故か誤嚥事故かなど)に用意しておきます。
 例えば、「食べ物を喉に詰まらせた」など、生命の危機に直結しやすい事故の発生を想定した場合、「救急車を呼ぶ」といった対処が先か、「その場での救急救命」が先かという判断を瞬時に選択することは難しく、何らかの道筋が事前に付けられないと、うろたえるだけで時間が過ぎてしまう危険があります。仮に2人以上で対処するとしても、誰が「連絡係」で、誰が「救命係」になるのかという役割分担に時間がかかっては意味がありません。
 つまり、ケース別のフローチャートを作るということは、「判断の迷い」によって生じる時間的ロスを防ぐという意味もあるわけです。また、マニュアルというのは、現場の体制(人員配置など)によって実効性があるかどうかが大きく左右されることがあります。ある程度のベテランが多い場合と、経験年数の浅い職員が高い比率を占めている場合では、当然ケース別のフローチャートも変わってくることになるでしょう。その際のマニュアル見直しをかけるうえでも、図式化されたチャートのほうが「修正すべき点」を確認しやすいメリットがあります。
 ②の実践研修はできれば月1回、身体が覚えていられる期間を想定したうえで行なうのが望ましいといえます。

1/6 次へ>

介護現場のヒヤリハット
中堅・リーダー向け

事故が起きる原因

場面ごとの事故の原因・対策

事故防止の仕組み作り

事故・苦情への対応

MY介護の広場トップ >  介護従事者・事業者のみなさま >  介護のリスクマネジメント >  介護現場のヒヤリハット 中堅・リーダー向け >  Q20 不幸にして事故が発生したとき、対処法をどうすればいいでしょうか?