MY介護の広場トップ >  介護従事者・事業者のみなさま >  介護のリスクマネジメント >  介護現場のヒヤリハット 中堅・リーダー向け >  Q24 いわゆる「困難ケース」に対処するにはどうすればよいのでしょうか?

介護現場のヒヤリハット 中堅・リーダー向け

Q24 いわゆる「困難ケース」に対処するにはどうすればよいのでしょうか?

公開日:2017年3月18日
Q24 いわゆる「困難ケース」に対処するにはどうすればよいのでしょうか?

介護現場では、認知症の周辺症状が激しいことによって近隣とのトラブルが生じているケースが少なからず存在します。中核症状自体が感情コントロールを阻害するというケースも一部で見られますが、一般的なアルツハイマー病などの場合、どんなに激しい周辺症状が見られても一定時間をかけて的確な認知症ケアが行なわれれば、ほとんどの場合本人は落ち着きを取り戻すものです。
 しかしながら、周辺症状の緩和のためには、それなりのサービス資源の投入と周囲の理解が必要です。例えば、本人が騒いで隣近所に迷惑をかける、あるいは、失火リスクがあることで周辺住民が神経過敏になるといった場合、介護の専門職が認知症ケアを進める以前に、「早く施設に入れなさい」などという具合に周囲からのプレッシャーが強くなることもあります。また、本来は身近な理解者であるはずの同居家族などが、周囲との軋轢のなかで心労で倒れてしまうなどというリスクが高まれば、やはり専門職として何らかの手を打たざるを得ません。
 あくまで利用者本人へのケアが重要という立場をとっていても、仮にその過程で「周辺住民などが不利益を被る」という事態になれば、その矛先はサービス提供者側に向かう可能性もあります。つまり、利用者からではなく、地域のなかのステークホルダーから責任追及を受けるというリスクが高まるわけです。こうした事態は、サービス提供者側だけで対応するには限界があります。
 そこで、地域全体など広範囲で利害関係が生じてしまうケースについては、早期に地域包括支援センターに報告をすることが必要です。同センターでは、ケアマネジメント支援の一環として困難ケースの解決に向けた対応も行なっています。地域やセンターによって対応力には差は見られますが、少なくとも行政などとの連携の窓口となります。そこからケースに応じて、警察や消防、専門医、民生委員、権利擁護に詳しい法律関係者などを集めての地域ケア会議を開いてもらうよう働きかけます。
 サービス担当者が単独で地域住民などと折衝しようとすれば、そこでは必ず衝突が生まれ、かえって問題がこじれる可能性もあります。まずは「チームであたる」ことを大前提と考えておきたいものです。

介護現場のヒヤリハット
中堅・リーダー向け

事故が起きる原因

場面ごとの事故の原因・対策

事故防止の仕組み作り

事故・苦情への対応

MY介護の広場トップ >  介護従事者・事業者のみなさま >  介護のリスクマネジメント >  介護現場のヒヤリハット 中堅・リーダー向け >  Q24 いわゆる「困難ケース」に対処するにはどうすればよいのでしょうか?