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1.在宅介護の現場で生じやすいリスクとは?(1/3)

公開日:2017年3月18日

ポイント1 
「なじんでいるはずの環境のなか」に潜むリスク

 在宅介護の現場でも、さまざまな事故が発生しています。事故ケースとしてとりわけ多い転倒などの原因を見ても、介護施設や居住系サービスでは想定しにくいリスクも潜んでいます。
 例えば、環境面のリスクです。

 古い住宅では、仮に段差解消などの改修を行なったとしても、カーペット類がわずかにめくれていて足を取られるとか、こたつの電気コードに足を引っ掛けるとか、あるいはカーテンの端に手や足を巻き込んでしまうなどというケースがあります。
 サービス提供者がその都度注意を促したとしても、日々の生活習慣から本人や家族が無意識にリスクをやり過ごしていることがあるわけです。

 また、住宅改修や福祉機器の導入を図った場合でも、本人や家族がその使い方に習熟できていないと、サービスが入っていない間に使い方を誤って事故につながるというケースもあります。逆に「在宅での介護生活に慣れてきた」ことが油断を生んでしまうケースもあります。

 さらに、在宅介護サービスの利用者の高齢化や療養ニーズの増加によって、誤嚥や誤薬といったリスクも高まっています。
 サービス提供者が入っている場合でも、単独訪問というケースが多いなかでは、ちょっと目を離すことで死角ができてしまい、その間に事故が発生する危険も高まります。
 特に医療知識に乏しい介護職の場合は、異変を目にしてもその重大性に気付かないまま、大きな事故に結びつくということも起こりえます。

在宅における事故リスクで
増大しやすいものは?

長年の問題蓄積
気付きにくいバリアの増大
  • カーペット類の
    わずかなめくれにつまづく
  • コード類が足元をふさぐ
  • 夜間の頻回トイレで転倒

など

介護環境の変化
本人・家族の習熟度の問題
  • 家族による慣れない移乗
  • 移動介助に際しての転倒・転落
  • 福祉機器類の使い方に慣れない
    なかでのさまざまな事故

など

在宅利用者の重度化
療養にかかるさまざまなリスク
  • 薬の数が増えることによる
    誤った服薬
    (認知症の人の過剰服薬など)
  • 誤嚥や褥瘡じょくそうなどのリスク
  • バイタルの悪化

など

専門職の目が届かない
なかでのリスク増大

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