3.具体的な情報収集とその共有について(3/3)
ポイント3
リスクは変化するものとして
現場共有を
在宅の要介護者が重度化する傾向にあるなかで、ちょっとしたことで機能低下などが進み、リスクの高まりが初期情報とは全く異なってくるケースが増えていきます。状況は常に変化する、「リスクは常に動くもの」という認識が必要です。
その変化の情報をほかのサービス提供者などと随時共有していくこと ―― その習慣が欠かせません。
まず、微妙な変化を見逃さないためにはどうすればいいか。前回述べましたように、現場のサービス提供者としては、目や耳だけでなく五感をフルに発揮して変化を感じ取ることが必要です。
しかし、時間に追われがちなヘルパーなどには、五感をフル回転させる余裕はなかなかもてないのが現実です。
そこで、事前に「変化する可能性があるポイント」を予測し、事業所・チーム内で共有しておきます。例えば、要介護者に何らかの内部疾患がある場合、「それが悪化するとどのような症状が表に出るか」という点を整理しておきます。そしてサービス提供者としては、前もって担当ケアマネジャーなどを通じ、かかりつけ医などからその情報を得ておくことがより良い介護につながることになります。
定期的に「複数の人の目」で確認する機会をつくるという配慮も大切です。初回訪問以外でもサ責が同行したり、ケアマネジャーのモニタリング訪問を、サービス提供時間と重なるときにお願いするというようなことも必要です。
次回は、変化するリスクに対処するための環境整備など、「リスク軽減」のために現場でできることは何かというテーマに踏み込んでみたいと思います。
「リスクが変化するかもしれない」
の予測を共有する

※ICT(Information and Communication Technology)
ICTはIT技術の総称。「情報通信技術」と訳される。特に公共サービスの分野で使われる。
具体的な情報収集とその共有について