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在宅介護のリスクマネジメント

第4回 共有した情報を「リスク軽減」に活かす

◇ポイント3 ヒヤリハットの情報を蓄積していくこと

公開日:2017年3月18日

 ひと通りの介助などが終了したとき、そこでひと安心と気を緩めてしまうのではなく、間をおかずに「振り返り」を行なうことが重要です。大切なのは、一連の動作のなかで「ヒヤリハット」のシーンが生じていなかったかどうかです。
 では、何をもって「ヒヤリハット」とするのかについては、各サービス提供者の主観にも左右されがちです。そのため、同じ「危険な状況」であっても、人によってヒヤリハット報告として上げる・上げないに差が生じることがあります。これだと、その場にどれだけのリスクが潜んでいるのかを客観的に拾い出すことが難しくなります。
 事故防止の基本は、事故の構造を山に例えたとき、すそ野にあたる「ヒヤリハット」を正確に拾い出し、一つひとつ解決していくことです。こうしてすそ野を狭くすれば、事故リスクの山は低くなります。いわゆる重大事故というのは、山の頂点が高くなって、一定以上の高さになったときに発生します。この点を考えれば、「ヒヤリハット」の報告を疎かにすることが大きな危険を伴うことを意識すべきです。
 では、「振り返り」を行なったとき、何をもってヒヤリハットと位置づけるべきなのか ── まずその基準を事前に共有しておくことです。しかし、事前にチームで共有できていたリスクがあったとしても、やはり十分ではありません。想定できなかったリスクというものは必ずあるものです。例えば、利用者側が「思いもよらない動き」をしたり「痛みを訴えたり」した場合、そこには必ずヒヤリハットが生じていると意識してみること。そうすると、そこから事故防止の手立ても見えてくるはずです。

 ただし、こうして地道にリスクを減らしていくなかでも、事故が生じてしまうこともあります。その場合、重大な結果につながらないように対処していくことが重要です。次回は、その事後対処についてふれましょう。

第4回 共有した情報を「リスク軽減」に活かす

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