MY介護の広場トップ >  一般のみなさま >  介護の知恵袋 >  メールマガジン配信コラム&エッセイ~専門家が語る介護の話~ >  2018年介護保険制度の改正について・認知症高齢者700万人時代に向けた集中取組み

認知症高齢者700万人時代に向けた集中取組み

一般公開日:2018.08.19

 高齢者介護の大きなテーマの一つが、認知症です。人口が高齢化するなか、認知症の人の数も増え続け、2025年には最大で700万人を超える(※)と推計されています。これは、65歳以上人口の5人に1人という割合です。

 こうした時代をみすえ、国は2015年に認知症施策総合推進戦略(通称、新オレンジプランといいます)を打ち出しました。これは、「認知症高齢者等にやさしい地域づくり」をテーマとして、幅広い取組みを示したものです。この新オレンジプランに沿う形で、2018年4月からはすべての市区町村で、認知症総合支援事業がスタートしています。

 各市区町村が取り組むべき課題はいくつかありますが、特に力を入れているのが「認知症初期集中支援チーム」の立ち上げです。高齢者が認知症になった場合、家族としては「どうしていいかわからない」まま、正確な診断や介護等の支援が遅れがちです(専門医の診断や介護サービスの利用を本人が拒否するケースも見られるからです)。そうなると、本人は不穏状態などが増し、穏やかな生活が築けず、それによって家族の介護負担も大きくなるという悪循環が生じがちです。

 そこで、全都道府県に設置されている認知症疾患医療センターや地域包括支援センター等が窓口となり、家族や地域の人から寄せられた相談を受けて、認知症初期集中支援チームが始動します。このチームは、医療・介護の専門職で構成され、本人・家族の自宅を訪れて早期の診断や支援へとつなげるためのサポートを集中的(おおむね6ヵ月)に行ないます。医師による診断や介護保険のサービスなどに結びつくまでは無料です。

※内閣府平成28年版高齢社会白書

2018年介護保険制度の改正について
 一覧ページへ

【執筆者プロフィール】

田中 元/たなか はじめ

介護福祉ジャーナリスト。立教大学法学部卒業後、出版社勤務。雑誌・書籍の編集業務を経てフリーに。

MY介護の広場トップ >  一般のみなさま >  介護の知恵袋 >  メールマガジン配信コラム&エッセイ~専門家が語る介護の話~ >  2018年介護保険制度の改正について・認知症高齢者700万人時代に向けた集中取組み