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介護保険での認知症対応はどうなったか?

一般公開日:2018.08.19

 地域ぐるみのさまざまな支援が脇を固める一方、プロによる支援、つまり介護保険サービスを充実させることも同時に必要となります。この介護保険サービスについて、2018年度から対応が強化された点をチェックしておきましょう。

 まず、家族の介護負担を減らすうえで重要なのが、家族の疲労が蓄積したとき、「一時的に本人と離れる機会」を設けること。その受け皿となるのが短期入所系(施設などに短期間入所する)サービスです。ただし、認知症の人が普段慣れない環境で昼夜を過ごす場合、見当識(場所や時間に関する認識)が衰えているゆえに、不穏症状が強くなったりします。その状態で家に戻ると、家族にとっては、「サービスを利用したら介護がさらに大変になった」という事態になりかねません。

 そこで、介護保険施設(特養や老健など)で導入されている「認知症専門ケア」にかかる報酬上の評価が、短期入所にも導入されました。ポイントとしては、認知症の利用者を5割以上受け入れていることに加え、認知症介護の指導にかかわる専門的な研修を修了している者を配置し、施設全体の認知症ケアの指導等を実施していることなどが定められています。

 その他、やはり増え続けている若年性認知症の人の受け入れを積極的に行なった事業所への評価も手厚くなりました。若年性(64歳以下)認知症の人の場合、就労継続の意向(なかには、子どもの教育費等の経済的問題)も強いなど、それより上の世代の人への対応とは異なるケースがあります。ちなみに、そうした若年性認知症の人の相談支援を専門に行なうコーディネーターの配置なども全国の都道府県で進んでいるところです。国もそうしたサポーター向けのサポートブック(厚生労働省HPに掲載)を発行しています。

2018年介護保険制度の改正について
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【執筆者プロフィール】

田中 元/たなか はじめ

介護福祉ジャーナリスト。立教大学法学部卒業後、出版社勤務。雑誌・書籍の編集業務を経てフリーに。

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