第3回 <対応方法>解決に向けた工夫
工夫点
外国人介護職員の言葉の壁を
乗り越える努力を理解し、協力する
外国人介護職員自身が家族やご利用者へのあいさつや言葉遣いがどのようにできているのか、また、できていないことは何かを確認しましょう。
日本文化も含めた日本語を習得する等、言葉の壁という課題を乗り越える努力が必要です。
例えば、日本語(日本文化)としては、「すみませんが」「もうしわけありませんが」などのおわびの言葉(クッション言葉)を使ったほうが相手にも受け入れやすいことを、外国人介護職員に伝えましょう。
日本人介護職員は、外国人介護職員の努力・頑張りに応え協力します。
工夫点
外国人介護職員に対する家族のとらえ方を把握することによって対応方法を変える
家族が外国人介護職員を受容しているかどうかを確認しておくことによって不信や誤解等が生じないようにします。
家族が高齢の場合、外国人のとらえ方は年代・生育・生活歴が影響を及ぼすことがあります。そのためネガティブな感情を持つ場合があることを知っておく必要があります。
家族から外国人介護職員に対して戸惑いや疑問視する発言があった場合、受容・理解に時間がかかることを予想して、日本人職員が一緒に対応するなどの方法を検討しておきます。
工夫点
外国人介護職員の能力を知ってもらう「紹介」と「説明」の機会を作る
紹介
事例では、息子さんは外国人介護職員Bさんが母親の介護を適切にできるのかを不安・不信に思っていると思われます。日本人介護職員Aさんは同僚として一緒に働く仲間の仕事ぶりを伝え、紹介するようにします。
説明
職員Bさんから息子さんに母親の日常生活の様子を伝え、現在行なっている介護内容の説明をします。また、職員Bさんの介護場面だけでなくご利用者のやりとり、コミュニケーションの実際をご利用者家族に見てもらう等、どのようなかかわり方をしているかを知ってもらえるようにします。
<事例のふりかえり>
- ポイント1 外国人介護職員が家族に対面する前にあいさつや言葉かけを
確認しておく - 不適切な言葉遣いで違和感・不信感が生じないようにする
- ポイント2 家族が外国人介護職員をどのようにとらえているかを事前に把握し、
必要に応じて対応方法を考えておく - 面会で対面した時の家族の戸惑いを減らすようにする
- ポイント3 日本人介護職員は外国人介護職員を同僚として紹介し、
外国人介護職員から介護の説明をする - 家族に外国人介護職員は日本人介護職員と同様の介護ができているという
安心感をもってもらうようにする

プロフィール
執筆:
公益社団法人 東京都介護福祉士会
事務局次長。
介護福祉士養成施設(専門学校)で20年間、介護教員として介護福祉教育に従事した後、特別養護老人ホームの施設長として人材・運営管理業務を務めた。令和4年4月から現職。