第3回 <事例>外国人介護職員のご家族への対応についての苦情
<事例>
新型コロナ感染症による面会制限が緩和され、ご利用者の家族が1年半ぶりに面会にいらっしゃいました。
外国人介護職員が対応しましたが、その態度や話し方等に、ご家族は怒り大きな声で叱責されました。
ご利用者・家族の概要
O様 女性 98歳 要介護4
特別養護老人ホームに入居。
高齢のため心身能力低下。麻痺等はないが下肢筋力低下のため立位保持が困難。
ほぼ1日ベッド上で過ごす。
コロナ以前は、近隣に住む息子(77歳)が週に1回、お菓子や飲み物などを持参し面会に来るのを楽しみにしていた。
同施設では、コロナ禍で面会時に下記の禁忌事項を定めている。
- 身体に直接触れない
- 食品等の持ち込みはできるが一緒に飲食はできない
- 持ち込んだ食品等は職員が預かり、面会後入居者にわたす
事例の内容
コロナ感染予防の面会制限のため会えなくなっていたご利用者Oさんと息子さんは1年半ぶりに面会できるようになりました。以前のように一緒に飲食はできないなど、面会のルールと理由を息子さんに伝えて了承してもらっていました。
面会当日、息子さんは顔なじみの職員Aさんの案内で待っていると、外国人職員Bさんが介助する車椅子でOさんが来ました。息子さんは外国人職員Bさんを見ると、職員Aさんに「いつから外国人が働いているの」と聞きました。Aさんは「コロナで面会ができなくなった1年半前ごろですね」と答えました。密を避けるためAさんは退室し、BさんはOさんを見守りました。
息子さんは「やっと持ってこられたんだ。お母さんが好きなお菓子だよ。一緒に食べようね。」と言い、お菓子の袋を見せました。それを見たBさんは「だめ、だめ。面会にだめです。食べません。」と袋を押し返し、「後でO様にいきますから」と言いました。息子さんは「なんだ、その言い方は。無礼だろう。日本のあいさつもろくにできないじゃないか。ふざけるな。」と怒鳴りました。
慌ててAさんが入室したところ、息子さんは「面会のルールを忘れてしまっていたのは私が悪かったが、やっと会えたのに、こんなひどい目にあうとは思わなかった。外国人に介護される母親がかわいそうだ。」と言い、怒って帰っていきました。