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第4回 <事例>楽しみだったはずのアクティビティ(活動)をめぐるトラブル

<事例>

 介護施設のお茶の時間に利用者有志がコーラスを楽しんでいました。
 家族会で発表するために練習に熱が入ってきたころ、ふたりの利用者の間で言い争いが増え、口もきかなくなりました。ついには、そのうちのひとりが退去してしまいました。

ご利用者の概要

 Aさん 80歳 男性 要支援2
 認知症なし
 現役時代は大手企業に勤務し、多くの部下を持ちバリバリ働く企業戦士だった。妻を亡くしひとり暮らしとなり、自宅近くに出来た施設を見学して気に入り入居した。

 Bさん 80歳 女性 要介護2
 認知症なし
 長女一家と同居していたが脊柱管狭窄症の悪化で車いすとなり入居。自宅で過ごしたい気持ちは強かったが長女夫婦に迷惑をかけたくないと自ら入居を決めた。

事例の内容

 定員40名の新しい施設で半年ほどが経ち、利用者間に良い関係性が生まれてきました。歌好きな方が多く、自然にお茶の時間に合唱するようになりました。家族にも聞いてもらいたいという意見が多くなり、次の家族会でお披露目する事が決まり練習に熱が入ってきたころです。

 AさんとBさんの間でコーラス後に言い争いが増えている事に職員が気づきました。その場はおさまっても次の練習時に再燃します。
 声が出ていないとか、あなたのパートの歌い方は違っているなどでお互いを責めています。

 周りからはおふたりとも穏やかな人と思われていただけに、ほかのご利用者も職員も不思議に思いつつ、ふたりをなだめていました。コーラスは自発的な活動として始まったこともあり、担当する職員も決めていませんでした。

 発表の家族会は無事に終わり、参加の家族からは元気に楽しく過ごせている事が判り安心したと好評でした。ところが2週間後、Aさんから退去したいと話がありました。お引止めし事情を伺うとBさんと顔を合わせる苦痛にはこれ以上耐えられないと施設を退去されました。

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