第2回 <事例>ご利用者が他人の部屋に入ったことによるトラブル
<事例>
ご利用者(Aさん)が黙って他人(Bさん)の部屋に入り、うろうろと探しものをはじめました。「勝手に入らないで、出ていって」とふたりは口論となりました。
その大声を聞きつけた介護職員があわてて駆けつけました。
ご利用者の概要
Aさん 80歳 女性 要介護3
特別養護老人ホーム入所中。アルツハイマー型認知症。
自宅でひとり暮らしをしていたが物忘れが多くなり生活が困難になったため入所。
入所時の混乱もなく笑顔でほかのご利用者との会話を楽しんでいる様子だった。
Bさん 83歳 女性 要介護3
リウマチ、大腿骨骨折により歩行困難。痛みや不安の訴えあり。
主たる介護者のご主人の腰痛が悪化し、Bさんの介護が困難に。
本人は自宅での生活を望んでいたが、家族による介護が限界になり1年前に入所。
ほかのご利用者とも時々トラブルを起こし苦情を訴えている。
事例の内容
Aさんは最近、他人の部屋に黙って入ってしまうことがあり、ほかのご利用者から不安の声が聞かれることがありました。
介護職員の間ではどうしたらよいか困り、改善策として見守りと声かけを増やすことを共有することにしていました。
ある日、ベッドの上で過ごしていたBさんの部屋に黙って入り、探しものをしようとするAさんに気づいたBさんとトラブルになってしまいました。
介護職員がふたりの間に入り、Aさんにはすぐに自分の部屋に戻っていただきましたので、解決したと思われましたが、Bさんは興奮がおさまらず「不安なので家に帰りたい」と強く訴えられました。