1.ハラスメント対策 ④利用者への啓発と兆候に応じた対処
利用者への啓発
利用者や家族からのハラスメントは「組織外の人々との関係」で発生するため、組織内の対策だけでは不十分です。利用者側への啓発を通じて理解を促す組織外に向けた対応も必要です。
そのため、利用者とハラスメント対策の必要性について合意を形成することが大切です。
例えば、管理者やハラスメント対策委員会メンバーが、ハラスメントが従事者の離職原因となっている実態を伝えつつ、利用者の考えをヒアリングする方法があります。
ハラスメント対策について、
利用者側の理解を得るために
利用者へのヒアリングの重要性
- サービス利用者は大小問わず「困りごと」を抱えています。そこにNG(してはいけないこと)事項を通告されるだけでは、控え目な人ほど「訴えたいことを発せられない」というケースも生じがちです。
- これでは、事業者と利用者の間のコミュニケーションが不調になり、逆に怒りや不信などの感情が、ストレートに現場の従事者に向かいかねません。
- 利用者にヒアリングを行なうことで、「一方的に加害者にされた」といった疎外感を和らげ、より良い信頼関係の構築につなげることができます。
「兆候」に応じた対処を類型化する
ハラスメントの兆候として、「言動が粗暴になってくる」「スキンシップや親密感を求める」などさまざまなパターンがあります。
こうした多様なパターンを考えたとき、蓄積された「兆候」を類型化していくという作業が必要です。そして、類型化した兆候について、パターンごとの対処フローを構築し、組織マニュアルに仕上げていきます。
このマニュアルを従事者に示しつつ研修を行なうことで、(重大化していなくても)兆候が見られた時点で現場からの相談を吸い上げ、早期の対応が行ないやすくなります。
「兆候」を類型化して、
再発防止策のフローを作成
ハラスメント対策マニュアルは継続的に更新
- ハラスメントの対処や兆候についての事例の吸い上げが増えるなかで、初期のマニュアルで把握できていない(想定していない)パターンが生じることもあります。
- そうしたパターンが生じる度に、新たな分析⇒フローの構築を行ないつつ、マニュアルを更新していくことが欠かせません。
- この更新を組織内で着実に行なうことも、中長期的に見た再発防止において欠かせない実務であることも頭に入れておきましょう。
- 包括などとも連携しながら、地域事例を蓄積していくことも必要です。