6.人材不足対策 ②人材確保のための広報戦略
人材採用における
ビジョン発信の重要性
採用が困難になるなか、賃金や職場環境などの処遇面のアピールが中心になり、法人の運営ビジョンや地域への貢献についての情報発信は後回しにされがちです。
こうした発信が弱くなると、応募者は「自分はこの職場・この地域で、職業人としてどう成長しているか」を想像する手がかりをつかみにくくなります。
つまり、「介護事業者にしっかりしたビジョンがあり、そのなかで人を育ててくれる」というイメージを、地域の多様なコミュニティに発信できるかどうかが、人材募集をかける側に欠かせない条件となります。
自法人のビジョンを応募者が受け止め、自身のコミュニティで拡散してもらうことを考えた場合、募集要項による情報発信だけでは不十分です。多様な機会を通じて日常から自法人のビジョンを地域に浸透させる仕掛けが大切です。
人材確保に有効な
「日常からの広報戦略」を企画
広報活動の例
①学園祭(福祉系大学や専門校)での
取組み
- 現任職員の出身校の後輩と連携し、現場の取組み成果を発表(シンポジウム等を企画)
- 「法人がめざすケアのビジョン」を学生や来場者にアピール
- 「ICTによる介護データ収集を実地のケアにどう活かすか」「最新センサーの活用による夜間の転倒リスク軽減事例」など、最新技術を活用しながら質の高いケアの実践を紹介
※応募者となる層が「知りたいこと」を、発表テーマのなかにきちんと組み込むことが重要
②市民祭りでの取組み
- 地域住民が参加する市民祭りで法人ブースを出展
- 一般向けに介護相談や、認知症・フレイル予防のアドバイスを実施
- 法人の介護ビジョンを紹介するリーフレット等を配布
- 地域住民に法人のビジョンや活動を知ってもらい、知名度や評価を向上
- 家族コミュニティを通じて、幅広い層(新卒のみならず、子育ての終わった世代の再就職も含めた)の応募意欲を底上げ
福祉人材センターや
市区町村との連携
実際の人材募集に際しては、民間の人材紹介会社を利用するケースもありますが、ハローワークのほか都道府県社協に設けられている福祉人材センターなどを通じて求人を行なうケースが多いです。
こうした機関が主催・協賛する介護人材フェスなどの取組みも増えており、法人と応募者の橋渡しをするという点では有効な取組みの一つになっています。
しかし、それだけでは現在の厳しい人材不足を乗り切るにはパワー不足となりがちです。
例えば、こうした催しに法人として+αの企画を持ち込み、地域をあげての啓発・広報の場へと進化させることが考えられます。福祉系専門学校等での学園祭の機会などで、アピール機会を申し出る方法もあります。
人材募集の効果を高めるための
「+α」を考える
広報活動の例
①介護ロボットや最新福祉機器の
デモンストレーション
- メーカーと協働し、介護ロボットや最新福祉機器のデモンストレーションを実施
- 一般の人々の関心を高め、「介護業界の未来像」を地域に浸透させる
- 介護人材不足の一因となっている「介護=3K職場」といった悪いイメージを払拭し、「介護はここまで進化している」と印象づけ、地域の意識を変える
②地域の介護施設の見学ツアー
- 複数の法人が協働し、小中学校(社会科見学)や老人クラブなどの団体向けに「地域の介護施設の見学ツアー」を開催
- 応募者に向けたピンポイントの人材確保のみならず、このような多世代に向けた啓発の機会が地域という面を底上げしていく