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利用者の方たちとのふれあいや共感が
私たちの大切なやりがいです。

ローズ療養通所介護
【施設長・介護福祉士】溝呂木 大介(みぞろぎ だいすけ)さん 2010年より現職
【通所介護主任・看護師】鈴木 夕輝(すずき ゆき)さん 2010年より現職

ローズ療養通所介護
【施設長・介護福祉士】
溝呂木 大介(みぞろぎ だいすけ)さん
2010年より現職
【通所介護主任・看護師】
鈴木 夕輝(すずき ゆき)さん
2010年より現職

ご存知ですか?「療養通所介護」
重度の方、医療が必要な方、個別での対応が必要な方を対象とした通所サービスで、全国で88事業所(※)しかない貴重なサービスです。
在宅生活を継続するご利用者さまがお困りになっていることに少しでも力になりたい。
その思いで明るく元気に頑張るお二人にお話しをうかがいました。

※介護給付費等実態統計月報(令和元年10月審査分)

この事業所の立ち上げのきっかけは?

(溝呂木さん)
10年ほど前、介護老人保健施設で働いていたころ、会社代表から声かけがありました。当時は療養通所介護というサービスの存在も知りませんでした。「介護老人保健施設から在宅復帰した後の人たちは実際にはどうしているか」と問われた時、家から出られないとか、入浴できないとか、家族が疲弊しているとか、そこには私の知らない現実があったのです。
会社代表と議論をする中で、そうした人たちを支える仕事が必要だと考えるに至り、この事業所を立ち上げることになりました。
その際、介護老人保健施設で同僚だった鈴木さんに一緒にやろうと誘いました。看護職として「生命を守る」ことと「生活を支える」ことの、両方の視点のバランスがとても優れていると感じていたからです。

この仕事のやりがいは
どのようなことですか

(溝呂木さん)
利用者の中に、ご自身やご家族の病気等でたいへんな経験をされてきた方がいました。ご自身の過去をお話しされた後、「つらく聞こえるかもしれないが、もう悲しくはない。いま、あなたと出会えた」と言ってくださいます。「人とくらべることをやめたら悲しくなることはない」とも。そうした「人との寄り添い」や「触れ合いによる気づき」といったものがあります。
利用者の方々とはこうした「何にも代えられない共感」があります。

(鈴木さん)
こちらの利用者は長く通ってくださる方が多いです。日常的にケアができて、いろんな話もして、長年付き合っていくことができます。みなさん医療必要度も高いし、たいへんなこともあるだろうけれど、笑顔で接してくださいます。とても元気をもらえます。

ふだん、どのようなことをこころがけていますか

(溝呂木さん、鈴木さん)
ここでは、半数は非言語の方で、また経口摂取の方は半数もいないくらいです。集団でのレクリエーションは難しく、すべて個別での対応となります。ですから、日常生活に楽しみをちりばめるようにしています。例えばおフロもゆっくりと、たっぷりと時間をとって。単なる入浴ではなくて、気持ちよくなってもらいたいです。
それからお花見にはご家族も一緒に出かけています。誕生会等の写真をご家族に渡すととても喜んでくれます。利用者の中には、通所当初はまったく話ができなかったのにだんだんと会話することができるようになった方がたくさんいます。

プライベートやストレス解消法は?

(溝呂木さん)
人と話をするのが大好きです。それから登山をして写真を撮る趣味があります。山頂や山小屋で知らない人と出会い語り合う、また登山中は独り言を言ったり歌ったりすると気持ちがすっきりします(笑)。

(鈴木さん)
私は、寝ると嫌なことは忘れるタイプです(笑)。あとは友だちと話したり、大好きな猫と一緒にいることで癒されています。

介護に携わる全国のみなさんへのメッセージをお願いします。

(溝呂木さん)
「啐啄(そったく)の機」という禅の言葉があります。卵から雛がかえる時に、親が外からつつくだけではダメで、内側から殻を破るタイミングがあっていないといけないという意味です。周囲から動かされるだけではなくて、やはり、一人ひとりが「どうしたいか」、「どうするべきか」を考えることが大事だと思います。自分のエネルギー、自分の力を信じて前にすすんでいきましょう。

(鈴木さん)
つらい時もあると思いますが、そんな時は一度立ち止まって、時には離れてみることも大事だと思います。苦しい気持ちをかかえたままだと利用者の方にもよくありませんよね。少し時間をおいてみたら、きっと「やっぱりこの仕事は楽しい!」という気持ちになれると思いますよ。

<今月の施設>
ローズ療養通所介護(東京都杉並区)

ローズ療養通所介護は2010年9月に杉並区高円寺に開設された施設です。在宅にて医療行為(胃ろう・吸引・褥瘡処置等)を必要とされるご利用者様を対象とした通所サービス(定員6名)を提供しています。あわせて、日々介護をされているご家族の介護負担の軽減と、ご自宅でのより良いケア方法の提案も目的としています。「これからも、自分の家で、暮らす」を理念に、スタッフが一丸となって温かみのあるケアを提供しています。
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