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どんな状況であっても
利用者さんの人生を守りたい

丹鶴介護サービスセンター
【施設長】桐本 百実(きりもと ひろみ)さん

丹鶴介護サービスセンター
【施設長】
桐本 百実(きりもと ひろみ)さん

日本中の介護施設が、未だかつてない感染症対策で緊張の日々が続いている。
和歌山県新宮市という海辺の城下町にあり、住宅型有料老人ホームとデイサービスなどを中心に運営する丹鶴介護サービスセンターもその一つ。
地元の商店街にあり、入居者は町のイベントに参加したり、家族も気軽に立ち寄り、周囲と程よいつながりがあったがそれも今はままならない。
桐本さんは、この試練の時期を乗り越えた先を見据えながら一人ひとりの不安を取り除き、その人らしい生き方を応援している。

どのような感染症対策をとられていますか。

出勤時のスタッフの検温から始まり、うがい、手洗い、マスクの着用さらに室内の換気や定期的な消毒など、基本に徹しています。
また利用者様の検温、うがい、手洗い、面会を制限させていただくなど、皆さんの健康を守るために、できることは何でもやろうと心がけています。
それでも、感染対策はこれで十分なのだろうかとスタッフの緊張はたえません。

スタッフの方の負担も大きいですね。

感染すると自分だけの問題ではなく、利用者やスタッフも感染することになるので神経を使います。もし自分が感染したら・・・など考えすぎて、不安になることがみんなを悩ませました。

一時期は、スタッフは自分の髪をカットにも行けず、自分でカットするほど神経を使ってましたから、精神的な負担は大きかったと思います。
新宮市内には感染者が出ていませんが、ニュースで連日の感染者の報道をみて、自分が感染地域に外出していなくても、例えばマスクで息苦しいと感じても、感染したのではないか?と思えるなどメンタルが弱ったりしました。みんなで励まし合いながら日々を過ごしました。

また、スタッフには家族もおりますので、必要なスタッフには家族の分もマスクを配布したり、体調管理やメンタルには気を配っています。

面会が制限されていますが、入居者さんの様子をご家族にはどのように伝えていらっしゃいますか。

現在は、少し緩和されておりますので、近くの方は、建物の外にベンチがあり、そこで面会してもらっています。

遠方のご家族様には、ビデオ通話のアプリを利用しています。市内のご家族様と遠方のご家族様など複数名でのビデオ通話はとても喜んでくださいます。
オンラインの面会は、時間が合えば気軽に集まれるのが良いですね。

今までお盆とお正月など帰省の時しか会えなかった子どもさんの顔や声を聞く機会が増えました。
コロナが終息してもオンラインの面会は継続したいと思っています。

レクがたいへん充実した施設と伺っておりますが、工夫している点などはございますか。

もともと季節の年中行事には工夫を凝らしてきました。フラダンスなど地域の慰問も多かったのですが、現在は外部のボランティアは受け入れていません。
今は、介護度の高い方や男性も多いので、集団行動を重視するスタイルではなく、その方の特徴に沿ったやり方で一日を過ごせるような気配りをしています。
定番ではありますが、ひとりでもできる、塗り絵、クイズ、脳トレ、壁飾りの製作などが中心です。

ご高齢者が長生きすることは嬉しい事です。しかし、コロナだけではなく、インフルエンザや病気、認知症による徘徊など、仕事や子育てをしながら、自宅で介護をするというのは、難しく厳しい課題がたくさんあります。

そんなご家族様に寄り添い少しでもお力になりたい。ご利用者様にはお家で過ごしているような日常を過ごしていただきたい。そんな施設を理想としています。

※コロナ禍以前の集合写真です。

<今月の施設>
丹鶴介護サービスセンター(和歌山県新宮市)

丹鶴介護サービスセンターは、和歌山県新宮市で住宅型有料老人ホーム、デイサービス、居宅介護支援事業を運営しています。他にも同様の施設として三重県紀宝町において「みふねの杜」を事業展開しています。
紹介した施設は地元の人々が足繁く通う地域の商店街に隣接し、入居者にとってもなじみの深い、安心して暮らせる環境です。
「自宅で過ごしていたように、プライベートは守りながら、安全に安心に暮らしていただくよう心がけています」
地域の人々の暮らしの支えになるようスタッフが一丸となり懸命に取り組んでいます。
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