耳にかけて使用します。操作が簡単で扱いやすいのが特長。汗が入りやすいのが難点ですが、汗に強い機種も出ています。
4.補聴器の種類と選び方
補聴器の種類
世のなかにはさまざまなタイプ、さまざまな価格の補聴器が存在します。
形状だけでも、耳にかける耳かけ型、耳のあなにスッポリおさまる耳あな型、耳のあなの型を取って作り、外からはほぼ見えないオーダーメイドタイプなどがあります。
その機能も、騒音抑制、ハウリング抑制、補聴器に入ってきた音のデータを記録し、そのデータを元に適した音質、音量に調整してもらえるデータロギングなどなど、本当にさまざまです。
「30万円以上する補聴器を購入したのに、サッパリ聞こえるようにならない!」
といった話をよく耳にしますが、補聴器は「多機能、高価格なほど良く聞こえる」というものではありません。だからこそ、基本的な知識を身につけて、正しい買い方をする必要があるのです。
耳かけ型

耳あな型

耳あなに収まるタイプ。耳あなにスッポリ収まる小型のものから、耳の外にまでくる大型のものまでいくつかのタイプがあります。
耳あなの形状と聞こえの程度にあわせてつくるオーダーメイドタイプがあります。
ポケット型

本体をポケットに入れ、イヤホンとコードをつないで使用。操作は比較的簡単で、機種によっては高出力が得られます。
コードが邪魔になったり、たまに衣ずれ音が入ることがあります。
メガネ型

メガネのツルの部分に補聴器を内蔵させています。メガネと補聴器を併用できる利点はありますが、レンズと補聴器の両方を調整する必要があります。
特殊補聴器

離れた場所に設置したFM送信機から手元の補聴器に音を送る、騒音に強いタイプや、高音域の子音を聞き取りやすいよう周波数を圧縮するものまで、特殊な用途で使う補聴器もあります。
「補聴器ライフを楽しもう」
補聴器の上手な選び方
聞こえで困っている、もしくは、聞こえないせいでストレスを感じている場面の優先順位を、改めて補聴器屋さんに伝えてください。
それとともに、「補聴器を使っていることを他者に知られたくないのか?」「知られても良いのか?」も伝えましょう。知られたくないのであればオーダーメイドタイプ、多少は知られても良いのであれば耳かけ型になるでしょう。
これは筆者の個人的な意見ですが、ほとんどの方には耳かけ型をおすすめしています。
近年の耳かけ型はかなり小型になっていて目立たない上に、オーダーメイドタイプより①安価、②壊れにくい、③さまざまなデザイン、大きさの機種がある、などの利点があるからです。
補聴器屋さんは、これらの情報と補聴器適合検査の結果から、あなたに最も合う機種を選択し、調整(フィッティング)してくれます。
家族との会話の優先順位が高いなら、会話がしやすいように。
うるさい職場で使いたいなら、騒音をなるべく減らすように。
補聴器は「高価な機種であれば聞こえも良くなる」というものでは決してありません。不必要な機能が付いていても、使いにくくなるだけで聞こえは良くなりません。
良心的な補聴器屋さんであれば、いたずらに高価で多機能な機種ではなく、あなたに合った機種を勧めてくれるでしょう。
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<明治安田健康開発財団提供>