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人生の最期に向けた
ロードマップ編

ライフステージ 【高齢期】
ささえられて、自分らしく生きる

●超高齢社会における「ホームロイヤー」とは
  • そもそもホームロイヤーとは、市民生活に密着した分野を取り扱う、かかりつけの弁護士、個人の顧問弁護士のことをいい、かかりつけ医「ホームドクター」になぞらえた造語です。
  • 我が国では、平成26年10月1日現在、65歳以上の高齢者の人口は3,300万人、総人口に占める割合にして26.0%と過去最高になっています。また、平成25年現在では、65歳以上の高齢者のいる世帯は2,242万世帯、全世帯の44.7%となり、うち65歳以上の高齢者がいる世帯の構成割合をみると、夫婦のみか単身の世帯が56.7%と過半数を占める状況にあります。
  • 超高齢社会における高齢者は、その生活設計を自ら行なわなければなりませんが、高齢化に伴う身体能力、判断能力の低下は避けられず、かつ高齢者を狙った悪徳商法やいわゆる振り込め詐欺があとを絶たないため、高齢者の生活不安や悩みも一層増加する傾向にあります。
  • このような高齢者の不安や悩みに寄り添い、その緩和に取り組むのが超高齢社会におけるホームロイヤーです。
データの出典:内閣府「平成27年版高齢社会白書」

■ホームロイヤー契約の締結

 「ホームロイヤー契約」と一言で言ってもその契約内容は、依頼者の希望や依頼者と弁護士との関係によりさまざまなものが考えられます。もっとも、一般的な内容としては、

(1)

依頼者の見守り
例:①1ヵ月に1回訪問のうえ、面談する。
②1ヵ月に1回主治医に連絡をとって健康状態を確認する。

(2)

法律相談を含む生活上のさまざまな悩みごとの相談

(3)

ライフプランノートの作成(下記参照)

を挙げることができます。

 ホームロイヤー契約を締結後、信頼できる弁護士と判断できた場合には、さらに財産管理、任意後見、遺言の作成・保存・執行、死後事務(※1)などを依頼することも考えられます。一般的に、ホームロイヤー契約における費用(弁護士報酬)は、月額5,000円から15,000円程度(※2)が多いと言われています。

<ライフプランノートとは>
 ライフプランノートとは、氏名、住所、職業、趣味、現在の居住状況、親族の有無とその関係、福祉サービスの利用状況、収支等の経済状況などを記載するもので、弁護士から適切な支援を受けるためには情報の共有が大切になってくることから、作成が推奨されているものです。

ライフプランノートの一例
出典:日本弁護士連合会
日本弁護士連合会高齢社会対策本部編
「改訂超高齢社会におけるホームロイヤーマニュアル」

■法定後見制度とのちがい

 ホームロイヤーを利用する場合には、前記のとおり弁護士との契約が必要となります。したがって、依頼者本人に契約内容を理解する十分な判断能力が備わっている場合には、ホームロイヤー契約および財産管理契約等を締結して、必要な支援を受けていくことができます。

 これに対し、すでに相当程度、判断能力が低下し、契約内容を十分に理解できなくなっているような場合には、成年後見をはじめとする法定後見制度を利用していくことになります。法定後見の場合、誰が後見人として就任するかは裁判所の判断に委ねられます。このため、信頼できる人に見守りや身上監護(※3)、財産管理などを任せたいのであればホームロイヤーを利用して早めに信頼できる弁護士を見つけ、後に判断能力が低下してしまった場合のことも含めて相談することをお勧めします。

 実際にホームロイヤーを利用している高齢者の方からは、「毎月1回でも電話で話をしたり、面談して話をしたりすることが楽しみになっている」、「些細なことでも相談相手がいるという安心感は大きい」という声を聞くことがあります。「まだ早いかな?」と思うくらいの元気なうちにホームロイヤーを探し、信頼できる弁護士に出会えるとより自分らしい、自分の希望に添った老後を迎えられるのではないでしょうか。

※1

死後事務とは、死亡した後の遺体の引き取り、死亡届の提出、葬儀等、居住空間の引き渡しや財産管理の方法、およびその帰属先等の意思決定を実現するための事務をいいます。

※2

ホームロイヤー契約の内容となっていない事(遺言の作成等)を依頼する場合には、別途費用が発生する場合があります。

※3

身上監護とは、被後見人が適切に生活できるように、介護保険や病院などの「身の上」の手続きをすることです(医療行為に対する同意を除く)。

【弁護士 十時 麻衣子】

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