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Q10 誤嚥事故を防ぐための「口腔ケア」のポイントとは?

公開日:2017年3月18日
Q10 誤嚥事故を防ぐための「口腔ケア」のポイントとは?

 先に述べたように、誤嚥事故は「食事をしている最中」だけに発生するものではありません。食後、口の中に残った食べ物のかすなどが気管や肺に回ってしまうことで、誤嚥性肺炎などを引き起こすケースもあります。そうしたリスクを軽減するうえで重要になるのが、口腔ケアです。近年、口腔ケアの重要性は介護現場でもかなり浸透しており、介護報酬の加算に加えられたり、歯科衛生士による介護現場指導なども増えてきました。口腔ケアに関する介護グッズもいろいろなものが見られます。
 しかしながら、すべての現場で口腔ケアが徹底されているかというと、まだまだバラつきも見られます。
 口腔ケアというと「食後の歯みがき」を思い浮かべる人も多いでしょうが、「食べ物のかすを取り除く」だけが目的ではありません。例えば、胃ろうなどの経管栄養によって口から食べ物を摂らない人であっても、口の中には常に様々な雑菌が潜んでいます。本人の吐いた痰などが乾いてこびりついていることもあります。それらがだ液とともにほんの少しでも気道に入ってしまうと、やはり誤嚥性肺炎を引き起こす大きなリスクとなります。
 この点を頭に入れれば、毎食後のほか、起床と就寝前にも口腔ケアを行なうことが必要です。特に起床後というのは、人によって口の中が極度に乾いていることがあり、歯周病菌などの雑菌が繁殖しやすくなります。また、口腔内の歯の周辺だけでなく、歯とほおの間の空間や舌の上、入れ歯を装着している部分など、雑菌がたまりやすい部分を見逃さないようにすることも大切です。
 歯とほおの間などは、先がスポンジ状になった口腔ブラシなどを。舌の上で舌クリーナーなど、多様な口腔ケアグッズを使いながらしっかり行ないましょう。口腔ケア専用の保湿剤などを使い、口腔内が乾燥しないように気を配ることで雑菌の繁殖を防ぐことも大切です。
 こうしたケアを行なう際には、定期的に歯科衛生士や言語聴覚士の指導をあおぎ、口腔内のどこをどのようにチェックするかというポイントを把握しておきます。そのうえで、口腔内のアセスメント情報を図示化しておくと、現場での情報共有がしやすくなります。

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