1.認知症ケア ⑧徘徊による事故防止
BPSD(行動・心理症状)の悪化によって起こる事故
認知症の人の場合、大きな事故に結びつきやすい行動の一つに「徘徊」があります。
もっとも、周囲には「徘徊」と映る行動も本人にとっては「理由のある外出」であるケースが大半です。
本人の言動から「外出」の予兆を見極めたうえで、「それをいかに事故に結びつけないか」という視点を持つことも必要です。
「徘徊」の予兆を察知して
事故を防ぐ
BPSDの悪化の原因から
対応を考える
本人が外に出ていこうとしたら、無理に「外出」を阻止することはせず、「そこまで一緒に参りましょう」などと言って同行します。その際、かける声や表情などをできる限り柔らかくし、本人の拒否心が生じないように配慮します。
道すがら、「こちらが近道ですよ」とか「あのお店に寄りたいので、つき合ってくれませんか」などと話しながら、そのまま事業所・施設などに戻ってこられるような安全なルートを選択します。
本人の「外出」に
付き添うときの注意点
持っていくもの
- 携帯電話
- 水分補給用のペットボトル
- 熱中症を防ぐ帽子
- 財布
- 周辺の地図(スマホアプリでもOK)
- 関係機関の緊急通報リスト
付き添いに際してのセリフ
「近くまでご一緒していただけませんか」、「そこまでお付き合いいただけませんか」
できるだけ、こちらから「お願いをする」姿勢が信頼を高める。
「外出」に際しての心の持ち方
本人の外出を「徘徊=問題行動」と考えない。警戒心や焦りが本人に伝わって、不安や混乱を助長する。
外の空気を吸うことがBPSDの緩和につながることもあるといったプラス思考を大切に。
付き添いをする道の選び方
できるだけ車の通行量が少ない道を。また、ご近所の人と出会う可能性の高い道や途中で休める場所(ベンチや喫茶店)がある道を。
本人がホッとする機会を設けるともとに戻る誘導も行ないやすい。
付き添い時の立ち位置
車道側に立って、本人が飛び出したりするのを防ぐ。付き添いを嫌がる場合は、やや斜め後ろに立って。本人が振り返るたびに笑顔で会釈する。
信頼感が築けていれば、腕を組んだり手をつないで。
GPS発信機などについて
本人にとって違和感のある形状のものは、捨ててしまう可能性がある。お守り袋のなかに入れて持ってもらうなどの工夫を。
GPSは本人の行動監視(拘束)につながるので、事前に家族などの許可を得る。
同行している間に見失った場合
- 同行している間に見失ったりした場合は、速やかに行政や警察に通報しましょう。
- 地域で徘徊SOSネットワークなどが整っている場合は、関係機関にも捜索をお願いするのも一つの方法です。