社会参加④ 「友人・近所付き合いで社会とつながる!」
病院情報や予防接種、介護施設のことなどは、地域の人間関係から得られる耳寄り情報が役立つことも。
こうした情報の入手だけでなく、災害の多い日本では、高齢になるほど、頼りになるのが地域社会。世代を超えた友人ができるかもしれません。
さらに、友人・知人と満足のいく交流を週1回以上持っている人は、交流がない人と比べて、認知症の発症が少ないことが研究(※)で分かっています。

※東京都健康長寿医療センター研究所健康長寿新ガイドライン策定委員会
『健康長寿新ガイドライン エビデンスブック』(2017)
高齢になるほど頼りになる地域交流
女性は、比較的ご近所との交流がありますが、男性には地域のかかわりが少ない人も多いのではないでしょうか。
地域の行事に参加する、いわゆる「地域デビュー」には緊張が伴い、いざ参加しようとしてもどうしたらよいか分からないという人もいます。
住んでいる地域に新しい友人ができる機会は得がたいものです。ちょっと勇気をだして一歩踏み出してみましょう。
特に「老人会」は同年代の仲間ができやすいのも特徴です。
活動に参加することにより、自宅に閉じこもるリスクを減らせ、ひとり暮らしの人にとっては孤立を防ぐことにつながります。
地域に友人をつくるポイント

助走期間を作る
定年前から折を見て地域活動に参加を心がけ、本格的にかかわる前に助走期間をつくりましょう。
きっかけが重要
地域活動に参加するきっかけは、友人や知り合いに誘われた人が多いようです。
普段から周囲に参加の意思を伝えることが大切です。
地域の講座に参加
行政では地域の元気シニアが参加できる健康を保つためのさまざまな教室やイベントを開催しています。
行政窓口や行政発行の暮らしに関するガイドブックで調べてみましょう。
体験今や老人会の中心者に
プロフィール

武田 正さん(仮名) 82歳
企業を62歳で退職するとき、これからは会社を通じての付き合いはなくなると考え、「年金受給者協会」に加入。
食事会、バスツアーや演芸祭りなどさまざまな行事に参加して20年。今は県の会長として活躍している。
ご近所付き合いで参加した老人会でも、地域の会長から始まり、市の老人会副会長も務め、多忙な毎日を送っている。
参加して良かったことは?

写真提供:ピクスタ
何といっても、たくさんの友人ができたことです。毎月、定期的に会いますのでとても親しくなります。
ボランティア活動は楽しむところです。自分はもちろん、皆が楽しめることをいつも心がけています。
知らない人ばかりのグループへの参加は躊躇すると思います。私は自ら探して入りましたが、大半の方は友人に誘われたというのがきっかけになっています。声をかけられたら、一度参加してみてください。
高齢を一緒に楽しむ仲間という、かけがえのない大切な財産ができると思います。
1年の間に社会活動へ参加した人は、健康状態が「良い」と回答した割合が高くなっています。
社会活動に参加してよかったこととして「健康や体力に自信がついた」の割合が高くなっていることと併せると、健康状態が良いことが社会活動への参加につながる可能性があり、また、社会活動に参加することで、健康・体力に自信がつき、更なる参加につながっていくことも可能です。
参考:内閣府 「高齢社会白書」 令和5年
生活機能が低下してくると
今までのように友人と会うことが
難しくなることも
いざ友人に会いに出かけようと思っても、高齢になると自身の体調や、相手の状況など、なかなか思うように行かなくなることもあります。
それでも、昔の仲間や想い出を共有する友人と、たまには話をしたいもの。距離や体調を気にすることなく、大切な友人との繋がりを持ち続けることを考えてみましょう。
友人とのつながりを深めるポイント

ビデオ電話
ビデオチャットツールなどのアプリを用いてビデオ通話をすることで、遠くにいる友人とのコミュニケーションを楽しむことができます。
手紙やカードを送る
手紙やカードは特別な温かみがあります。
季節感あふれる便せんを用いて、落ち葉などを入れることもできます。
手作りカードを作るのも良いでしょう。
共有アルバムの作成
スマートフォンやPCで共有アルバムを作成し、家族や友人と最近の写真や動画を共有することで、日常の出来事や楽しい瞬間をシェアすることができます。
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<明治安田健康開発財団提供>