1.目の見える仕組みと老眼
例えば......こんな変化がありませんか?
私たちは外界の情報の80%以上を、目から得ていると言われています。目の働きは、どうしても加齢とともに衰えます。
目の見える仕組み
私たちは暗闇のなかで物を見ることができません。外から光が目に入り、眼球を構成する器官を通って細胞を刺激し、脳に伝わることで、初めて「見える」状態になります。
まず、その仕組みを簡単に説明しましょう。
眼球に入ってきた光は、角膜と水晶体で屈折し、硝子体を通って網膜の上に像を結びます。その視覚情報は、電気信号に変えられ、視神経を通って脳に伝わります。
<目の断面図>
老眼 -誰にでも起こる目の老化現象-
水晶体は「ピントを合わせるレンズの屈折」、「ピントの調節」、「紫外線などの有害光の除去」などの機能を担っています。
加齢とともに、この水晶体の弾力が失われていき、それを支える毛様体の働きが低下したりして、水晶体のピントを合わせる機能が低下します。「文字を読むときに、約30cm以上離さないと見えにくくなる」などが一例としてあげられます。
その場合、適切な老眼鏡をかけて弱まった調節力を補う必要があります。
目の調節力が低下する「老眼(老視)」は、程度の差こそあれ、40歳頃からほとんどの人に現れます。
遠視と混同されがちですが、遠視が「屈折異常」であるのに対し、老眼は調節力が低下するために起こる「調節異常」です。
<遠視>屈折異常
遠視は、眼軸長(眼球長さ)が短すぎたり、角膜や水晶体の屈折力が弱すぎたりするために起こります。
遠視は、調節しないと網膜の後方でピントが合ってしまいます。(図・上)
遠くを見る時は少しの調節で見えますが、近くを見る時は強い調整が必要になります。(図・下)
<老眼>調節異常
ものを見る時は、水晶体が厚みを変えてピントを調整します。
老眼は、加齢により、水晶体の弾力が弱くなり、調節力が低下した状態です。
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<明治安田健康開発財団提供>