3.中高年に起こりやすい目の病気
中高年になると、目に気になる症状を訴える人が多くなります。そのなかで、ここでは中高年に多く見られる「緑内障」、「加齢性黄斑変性」について取り上げます。
視覚障害の原因疾患
データの出典:厚生労働科学研究費補助金
疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する調査研究「我が国における視覚障害の現状」(平成17年度)
緑内障
眼圧の上昇など何らかの原因で視神経が障害され、視野が欠ける病気です。
緑内障はかなり進行するまで無症状で、自覚しにくい病気ですが、40歳以上の20人に1人は緑内障です。早期発見・早期治療が大切です。
放っておくと失明に至ることもあります。失明原因の1位です。
<緑内障の見え方>
多くは、鼻側の上の方から視野が欠け始めますが、両目で見るともう一方の目が補うために、気づきにくく進行していきます。
早期発見のために、40歳を過ぎたら定期的な検査を受けましょう。
正常

緑内障初期

緑内障中期

緑内障末期

※灰色部分は実際には霞がかかった様に視野から欠けます。
加齢性黄斑変性
加齢によって、網膜の中心部に当たる黄斑部に障害が起こり、視野の中心の見たいところが見えにくくなる病気です。また物が歪んで見え、視力が低下します。
緑内障と同様に、片方の目に症状が現れても気づかないことが少なくありません。この黄斑部は、目に入ってきた光が像を結ぶ眼底の網膜の中心部で視神経の要です。
そのため、ここに障害が起こると日常生活への支障が大きく社会的失明(矯正しても0.1以下の視力しか得られない)に至ることもあります。約70万人の人が加齢性黄斑変性にかかっています。
その他「糖尿病網膜症」、「網膜剥離」、「ドライアイ」など中高年になると増える目の病気があります。定期的に検診をして早期発見・早期治療を目指しましょう。
医学博士 宗像秀子(2016年2月公開)
介護予防と健康維持
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<明治安田健康開発財団提供>