2-1.加齢とともに目はこのように変化する
目の水晶体の黄変化で、すべてが黄色がかって見える
カメラで言うレンズに当たる水晶体は、加齢により白濁して進行すると黄変化(褐色化)していきます。黄変化した水晶体の目では、対象の色を黄色(褐色)のフィルターを通して見た状態になり、視力低下や色の認識がずれてしまいます。そのため、視覚認識の点で誤解が生じることがあります。
また、これによって水晶体を通り抜けることができる光の量が少なくなり、特に青みの強い色は暗いところでは見えにくくなります。そのため、同じ明るさの光を見ても、若年層に比べて高齢者は暗く見えることがわかっています。
体験しよう!
色彩の変化例と生活に与える影響
色が高度に黄変化すると生活にどのような影響が出るのでしょうか。色の違いを実際に体験し、生活への影響を考えてみましょう。
「かぼちゃ」をイメージしてください。「かぼちゃ」と言えば、どちらの色と思いますか?



一般的に「かぼちゃ」と言えば、「A(パンプキン)」をイメージしますが、黄変化になると「B(あずき色)」に変化して見えます。
「みかん」をイメージしてください。「みかん」と言えば、どちらの色と思いますか?



一般的に「みかん」と言えば、「A(みかんの表皮の色)」をイメージしますが、黄変化になると「B(飴色)」に変化して見えます。みかんらしくなくなりますね。
「鮭」をイメージしてください。「鮭」と言えば、どちらの色と思いますか?



一般的に「鮭」と言えば、「A(サーモンピンク)」をイメージしますが、黄変化になると「B(小麦色)」に変化して見えます。
いかがでしたか?
黄色は色構成の重要な基本要素であるため、すべての色に関わっており、黄色の感知が違っていると、その色によって実にさまざまに変化します。
これらの色の変化は生活に影響するとは言えませんが、美味しそうに見えず、味気なく感じる人もいるかもしれません。
※ご利用のパソコンやプリンタ等の環境により、色味が異なって見える場合があります。
出典:吉田あこ、橋本公克「高齢化による視界の黄変化 その1,生活環境色」
(日本建築学会大会梗概集,平成元年)から一部抜粋
高齢社会における公共空間の色彩計画調査 黄変化早見表(国土交通省,平成15年3月)をもとに作成
(2016年2月公開)
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目の見える仕組みと
老眼2-1
加齢とともに目は
このように変化する2-2
水晶体が濁り、対象が
ぼやけて見える2-3
老人性縮瞳(しゅくどう)が起きる・視野が狭くなる3
中高年に起こりやすい
目の病気4
高齢者に接する
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