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3.難聴がこんな問題を引き起こす

 「聞こえるけれど、聞き取れない」という典型的な加齢性難聴の人は、言い換えれば「かゆいところに手が届かないような会話」に、四六時中、晒(さら)されています。日常生活にどのような影響が出るのでしょうか。

①何度も聞き直すことができず、仕事や人間関係に支障が出る

 会議に出席した時や打ち合わせ時に聞き取りにくくても、何度も聞き直せない場合があり、仕事に支障がでることさえあります。
 それは、加齢性難聴によって引き起こされている場合が多いのですが、自分の"聞こえ"が以前より落ちているという自覚が本人に無く、周囲の人たちもそのことに気付いていないことが意外と多いのです。

 また、ご家族や職場の同僚などの近しい人たちとの会話だと、知らない人との会話よりもさらにイライラが募ります。伝わらないもどかしさから、長年築いてきた信頼関係にひびが入ってしまう場合さえありえます。

 こういう状態が毎日繰り返されると、仕事での失敗や、家族や友人とのあいだに感情的な軋轢が起きることもあります。

②伝わらないでイライラする。人と話すのが億劫になり、社会から孤立・疎外されていく

 無自覚難聴でコミュニケーションがうまくできない場合があります。
 例えば、買い物で行き違いがあったとします。自身の"聞こえ"が落ちてきているという自覚があれば、店員さんに腹は立ちませんし、そもそも良く聞こえないのなら聞き返します。

 無自覚難聴の人は、"聞き間違えを相手のせいにしてしまう"ケースが多いようです。

 自分の聞こえのせいだとは気付かず、「ばかにされた」「だまされた」と人と話すのが億劫になり、徐々に社会から孤立・疎外されていく傾向にあります。

③うつ病や認知症につながることもある

 コミュニケーションがうまくいかなければ精神的に疲れてしまい、うつの症状や認知機能が低下してしまうケースも少なくありません。
 病院や定期健康診断などで聴力の異常と診断された場合、早めに補聴器を装用した方が認知症予防に効果があるということが学術的に証明されています。しかしミドルエイジの人の無自覚難聴は、病院や定期健康診断などでは難聴という診断とならないケースも多いのです。

 無自覚難聴は、まずは本人が自覚することです。そして、周囲の人にも無自覚難聴の人への話し方などに関する基本的な知識を広げ、皆が思いやりのある話し方をすることで、トラブルの多くは解決されるのです。


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