生きがい
人生100年時代を
充実して生きるために
アメリカの医学雑誌「Psychosomatic Medicine」の第78巻第2号（2016年）に「生活のなかで高い目的意識を持っていることは、死亡率のリスクの減少と関連している」との記事が発表されました。記事によると、人生の目的(生きがい）を持っている人は、持たない人の約5分の1の死亡率という結果でした。人生をポジティブに考えている人は、自然と生理学的機能の向上が促され、より長生きにつながるということです。
諺の「病は気から」や「笑う門には福来たる」は事実なのです。生きがいがあれば、行動力がアップし、身体の活力と回復力が強まることで、病気のリスクが軽減されます。また、気力が充実することで、ストレスが低下することから、精神面の健康にも効果があると言われています。
つまり、「生きがい」こそが、人生100年時代を健康で充実して生きていくために非常に大切なのです。
生きがいは、健康な人生につながるだけでなく、より人生を豊かにしてくれるもの。なぜなら、生きがいは人生の「楽しみ」の源泉だからです。そして、その生きがいこそが、あなたをより輝かせて、より人生を前向きに生きる手助けをしてくれるのです。
あなたの「生きがい」は何ですか？もし、生きがいがない、わからないという方は、ぜひ、生きがいを探してみませんか。
生きがいの見つけ方
●好きなことを思い出す
趣味に興じることが生きがいという人は多いもの。しかし、趣味がない人も実は大勢います。それは「趣味をする時間が取れない」「何をしたらいいのかわからない」など理由はさまざまです。
そのような時は、過去の自分を振り返ってみましょう。「子供のころ、将来の夢は何でしたか？」「何が好きでしたか？」スポーツなどの部活動や、熱中した漫画や本、友達との遊びなどいくつか思い浮かぶと思います。また、例えば楽器演奏や旅行など、当時は手が届かなかった夢なども、今ならできるかもしれません。
趣味がない方は、まず、好きなこと、好きになりたいことを趣味にするのが一番です。そして、それを続けてみることが、新たな生きがいにつながるかもしれません。
●「人のため」を生きがいにする
あなたは他者とのかかわりを、どのように考えますか？できるだけかかわりを持たないで、自分だけの時間を大切にしたいという方もいるでしょう。しかし「自分自身を認められたい」「誰かに喜ばれたい」と思うことがあるならば、ぜひ、一歩を踏み出してみませんか。
それは新しい仕事や副業でもかまいません。人のために役立つ仕事はたくさんあります。
定年後に再就職し、新しい仕事に打ち込むのもいいでしょう。
また、ボランティアや、今までのキャリアを活かした「プロボノ」という選択肢もあります。プロボノとは、ラテン語の「Pro bono publico(公益のために)」から生まれた言葉で、社会人が自らの経験や専門知識・スキルを活かして社会貢献する活動のこと。無報酬で働くのは一般のボランティアと同じですが、マネジメントや、クリエイティブ、IT、経理、調査、分析など自分が培ってきたスキルや専門分野を活かして奉仕活動するのがプロボノです。
プロボノは、マッチングサイトで探すのが一番の早道。ぜひ、Webで検索して「プロボノ募集」に応募してみませんか。社会の役に立っているという実感を得られ、そして新たな生きがいにつながることでしょう。
●仲間をつくる
趣味の教室に通ったり、ボランティアなどを新たにはじめると、そこには必ず「出会い」があります。そして、同じ目標や目的を持った仲間ができます。仲間ができると、その活動は自分ひとりで行なうより長続きするでしょう。そして、仲間と喜びを共有することで、よりその活動が楽しくなります。
特に、その仲間たちといると、「自分が成長することができそう」と感じることができたら、それは確実に生きがいにつながる第一歩となります。自分をさらに成長させたいと思うことは、生きがいにつながるからです。
昔の友人でもいいですし、新たにつくる仲間など、人とのかかわりを通じて生きがいを実感できる世界を広げてみませんか。
●目標を持つ
仕事を成し遂げる、趣味を追求する、人の役に立つ、健康を維持する、大型バイクの免許を取る、海外で暮らしてみるなど、何でもいいので目標を持ちましょう。目標を立て、達成に向けて準備や実行することは人生に「張り」を与えます。その張りこそが、目標に向かってチャレンジするという心の炎を燃やし、生きがいにつながるのです。
もし、目標を達成したら、それは大きな喜びになるはず。そして、また新たな目標を立てて、それに突き進んでみませんか。
自分が心から打ち込めることを続ける10年と、何もしないでただ生きる10年では、人生の意味が違ってきます。生きがいがないという方は、まず小さな目標を立てることからはじめてみませんか。
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