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4.いつでもどこでも気軽にできる!ながら筋トレ+ついでに筋トレ

指導・監修:久野譜也(筑波大学大学院教授)

 全身の筋肉を鍛えようとすると大変ですが、大腰筋の筋トレだけなら短時間ででき、しかも他の筋肉を鍛えるより、大腰筋を鍛えた方が、より効果的です。
 椅子があれば、いつでもどこでも手軽にできます!

まずは下半身の筋力チェックからスタート

 筋トレは、自分の筋力に合った強度やペースで行なってこそ効果が得られます。
 まずは椅子の立ち座りテストで、下半身の筋力をチェックしてみましょう。立ったり座ったりを10回繰り返し、かかった時間で筋力レベルが判定できます。

倒れない安定感のある椅子を使用しましょう。

両手を胸の前で交差させて
椅子の前に立つ。

できるだけ速いスピードで
立ち座りを10回繰り返す。

何秒かかったかタイムを計る。

判定レベル

▼表は左右にスクロールできます

次に紹介する5種類の筋トレを、
自分の判定レベルに応じた回数を目標にトライしてみましょう!

※心臓病、高血圧、糖尿病などの持病があって治療中の人は、筋トレを行なっていいかどうかを、事前にかかりつけ医に相談してください。

1.つかまりスクワット

足腰が総合的に鍛えられ、
立ち座りの動作がスムーズに

 スクワットは、大腰筋と下半身の筋肉を効果的に鍛える代表的な運動です。
 安全のため、椅子の背につかまりながら行ないましょう。膝を曲げる際には、膝がつま先よりも前に出ないように行なうのがポイントです。

初級レベル 中級レベル 上級レベル
10回 20回 30回

両足を肩幅に広げ、両手で椅子の背をつかんで真っすぐに立つ。

上体は真っすぐなまま、息を吐きながら、ゆっくりと膝を曲げていく。

腰を膝の高さまで沈めたら、息を吸いながら①の姿勢に戻る。

2.座って膝伸ばし

元気な歩きを支える
太ももの筋力を強化

 年を取ってもつまずかず、元気に歩くために欠かせない、太もも前面の筋肉を鍛える運動です。
 足を上げたら、膝を伸ばしたまま少しキープするとより効果的です。

初級レベル 中級レベル 上級レベル
10回ずつ 20回ずつ 30回ずつ

深く腰を掛け、背すじを伸ばし、
両手で椅子の座面をつかむ。

息を吐きながら、ゆっくりと片足を上げて膝を伸ばしたら、①の姿勢に戻る。

この動作を左右の足で交互に行なう。

3.座って太もも上げ
(1セット 右5回+左5回)

腹筋と大腰筋が鍛えられ
体のセンターラインが安定

 腹筋とその奥で体幹を支える大腰筋を効果的に鍛える運動です。
 ポイントは膝を胸にゆっくりと引き付けること。上半身と下半身の連動性が高まり、姿勢や歩行が安定します。

初級レベル 中級レベル 上級レベル
1セット 2セット 3セット

深く腰を掛け、
両手で椅子の座面をつかむ。

片方の膝を
ゆっくりと引き上げる。

同時に、上体をかがめて膝を胸に引き付けたら、①の姿勢に戻る。片方の足で5回行なったら、もう片方も同様に5回行なう。

4.足の前後運動
(1セット 右5回+左5回)

股関節の可動域が広がり
軽快なフットワークに

 股関節を前後に動かすことで、大腰筋を刺激する運動です。
 椅子につかまり体をしっかり安定させ、かかとで大きな円を描くつもりで行なうのがポイント。足の運びがスムーズになります。

初級レベル 中級レベル 上級レベル
1セット 2セット 3セット

片手で椅子の背をつかみ、
椅子の横に真っすぐ立つ。

片足の膝を曲げて、
前へ大きく引き上げる。

足を後ろへ大きく引いて膝を伸ばし、
①の姿勢に戻る。

5回続けて行なったら、体の向きを変える。椅子の背をつかむ手を変え、もう片方の足も同様に5回行なう。

5.足の左右運動
(1セット 右5回+左5回)

衰えやすい太ももの横から
お尻の筋肉を強化

 片足ずつ真横に上げ下げする運動です。太ももの横からお尻の筋肉が強化され、股関節を横に動かすので、大腰筋も刺激されます。
 日常生活でこうした動作は少なく、ここの筋肉は衰えやすいので、意識的に鍛えましょう。

初級レベル 中級レベル 上級レベル
1セット 2セット 3セット

両手で椅子の背をつかみ、
椅子の後ろに真っすぐ立つ。

上体は真っすぐのまま、
片方の足を真横にゆっくり上下させる。

5回行なったら、もう片方も同様に5回行なう。

膝痛の人は、こんな筋トレを 
「膝立て腹筋」

 膝に負担をかけずに、大腰筋が鍛えられます。
 呼吸は止めないで10回ずつ、1日1~3セット行ないましょう。

1.両膝を立て、足は腰幅に開く。

2.両腕は前方へ伸ばし、太ももに触れながら、肩が床から離れるようにゆっくりと上体を起こし、そのまま1秒間静止したら、ゆっくりと①の姿勢に戻る。

これならヤル気になる!
無理なく続けられる!

  • 5種類の筋トレは必ずしも全部する必要はありません
  • 1日数回に分けて行なっても構いません
  • 週のうち2日は休んでもOKです
  • 周囲に筋トレを宣言しましょう
  • 筋肉量・体脂肪率・体重を測定できる体組成計で記録を付けましょう
  • 「テレビを見ながら」「立ったついでに」などちょっとしたスキマ時間に!

やめてしまうと...

 筋肉はお金と違って貯蓄できません。例えば2ヵ月間の筋トレで筋肉を付けても、次の2ヵ月サボッていれば、みるみる減って元に戻ります。
 筋肉という貴重な財産を減らさないように、日々コツコツと続けていきましょう。


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