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3.フレイルになると......

監修:秋下雅弘
(東京大学医学部附属病院 老年病科教授)

 一歩ずつ着実に、要介護状態に近づいてしまう"フレイル"。
 足腰が弱り、ヨボヨボになってくる、そんなイメージかもしれませんが、それより、病気や不調のデパートになり薬漬けのつらい日々になるキケンが大!
 たくさんの病気や症状を一人で背負い込む事態に見舞われます。

フレイルの進行とともに生活機能が低下し、
きびきびと動けなくなるにつれ、さまざまな
病気や障害がいろいろと生じてきます。

体の予備能力が衰えて...

筋力が衰え...

歩行速度が低下して...

出歩くのがおっくうになり...

意欲も薄れて...

ますます動かなくなり...

食欲が低下して...

体重がだんだん減少...

 フレイルになると、健常なら防げるか容易に回復できる病気やダメージへの抵抗力がなくなってきます。つまり、体が予備能力を失って、虚弱になる状態です。
 すると上のように、一つずつ心身機能のレベルが落ち、今までは動かないと太っていたのに、逆に体重が減少し始めます。

体の予備能力が落ち、さまざまな不調が現れます!

高齢になるほど、あっちこっちが悪くてフツウに

年齢÷10個の病気や故障持ちに

70歳で7個

80歳で8個

90歳で9個

 老年症候群で受診中の人は、一人でおおむね[年齢÷10]個の病気や障害を抱えています。それだけあれば、日々どこかが痛いとか、つらいとかが出てきます。
 その病気や障害に別々に立ち向かうのでは、一人で何人もの相手と戦っているようなもので、治療で体がズタズタになってしまうことさえあります。

 加えて認知症などでみられるように生活機能が低下しやすいのも高齢者の病態の特徴です。

しかも、若い時とは症状の出方が違う

 同じ病気にかかっていても、症状が出る人もいれば、出ない人もいます。
 また、この病気ならこんな症状があるはずだと思っても、その典型的な症状が出ない人もいます。それだけ診断も治療も難しくなります。

インフルエンザや肺炎など、感染症にかかっても熱が出ずに気付きにくくなる。

薬が効き過ぎたり、予期せぬ副作用を生じたり。注意が必要。など

つまりフレイルは、老年症候群と表裏一体なのです

3層の症状と病気が重なって増えていく「老年症候群」

鳥羽研二:日本老年医学会雑誌 34(12),981-986,1997より改変

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