4.ひざを支える筋力の強化に!毎日続けたい「ひざ体操」
(帝京大学医学部整形外科 教授)
ひざの痛みの改善に効果的な運動は基本的に4つ。どの運動も簡単な動きですから誰にでもできます。ひざに腫れや熱がなければ、多少痛くても毎日行なうことが大切。
この体操は、ひざに負担をかけることなく、ひざ周りの筋力を強化できますので、ひざの痛みを軽減し、日々の生活の質(QOL)を上げます。
ひざ体操はここに効く!

注意事項
- ひざが腫れたり熱を持ったりしているときは、整形外科を受診する
- 持病や感染症などで体調が悪いときは無理に行なわない
- 持病のある人は、かかりつけ医に相談してから行なう
Point
効果的に行なうために
- 各体操1日3セットずつ
- 呼吸を止めないで、ゆっくり息を吐きながら
- 痛みのない側も同様に強化
- 慣れたら回数を増やす
ひざ体操1 基本の足上げ体操
ひざが安定し、歩行時の衝撃を緩和
※この体操ができるかどうかで、次に行なう体操が決まります。
ひざの状態をチェック
1セット20回×1日3セット
あおむけになり、片方のひざを伸ばし、もう片方のひざを曲げる。
伸ばした方の足を床から10cmほど上げて5秒間キープしたら足を下ろす。3秒間休み、再び足を上げる。これを20回続けて行なう。もう片方の足も同様に行なう。

ひざが痛かったり、筋力がなかったりしてできなかった人は...
「押しつぶし体操」へ
ひざ体操2 横上げ体操
骨盤が安定し、歩行時の負担を軽減
横向きで足を上げる
1セット20回×1日3セット
横向きに寝て、下側の足のひざを軽く曲げ、上側の足は伸ばす。
※頭の下にクッションなどを置いてもよい。

伸ばした方の足を床から10cmほど上げて5秒間キープしたら足を下ろして3秒間休み、再び足を上げる。これを20回続けて行なう。もう片方の足も同様に行なう。

ひざ体操3 内転筋体操
膝蓋骨が安定し、下り階段が楽に
太ももにクッションを挟んで
1セット20回×1日3セット
床に座って両ひざを曲げる。両手は後方について体を支え、上半身の力を抜く。太ももの間にクッションを挟む。
※クッションの代わりに座布団や、硬めのボールでもよい。

太ももに力を入れてクッションを押し、5秒間キープしたら3秒間休み、再び力を入れる。これを20回続けて行なう。

ひざ体操4 屈伸体操
ひざの可動域を広げる
ひざを曲げ伸ばしする
①+②で
1セット20回×1日3セット
床に座って片方の足は前に伸ばし、もう片方のひざを曲げて両手で抱える。痛みを感じ始める位置まで引き寄せたら、さらに胸の方に引きつけ10秒間静止。

①の状態からひざを伸ばし、伸ばしたひざに両手を当て、軽く反動をつけて10回押す。①と②をセットで行ない、反対側の足も同様に行なう。
※かかとにクッションを置くと押しやすい。

押しつぶし体操
太もも後ろ側のハムストリングを強化
※ひざを曲げやすくします。
ひざに力を入れる
1セット20回×1日3セット
床に座って両足を伸ばし、両手は後方について体を支え、上半身の力を抜く。片方のひざの下にクッションを置く。
※クッションの代わりに座布団や折り畳んだバスタオルでもよい。

クッションに置いた方の足全体で、クッションを押しつぶすように力を入れ、5秒間たったら3秒間休み、再び足に力を入れる。これを20回続けて行なう。もう片方の足も同様に行なう。

※ときどき、「ひざ体操1」に戻ってみてください。
ひざを支える筋力の強化に!
毎日続けたい「ひざ体操」
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<明治安田健康開発財団提供>